《しあわせは 互いのために 察し愛》

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 女性が夫や恋人から言われて落ち込むというかがっかりさせられる言葉,その一つに「言ってくれればするのに」があるそうです。男には覚えのある言葉かもしれませんし,ごく自然に言える言葉です。ところが,女性は言わなければ分からないということが理解できないようです。察することが自然なのです。逆に言えば,言わなくても察して,してくれることが当たり前なのです。女性が持っている気配りの世界と,男性が持っている交渉の世界の違いです。
 このお互いの特質を相互に了解していないと,お互いを責めることに終始します。すれ違いの解消はできません。歩み寄ることです。そのように言うことは簡単ですが,どちらが歩み寄るかということが問題になります。お互いに相手が歩み寄ればいいと思っているでしょう。どちらかという決まった答えはありません。ケースバイケースで,当事者の間で臨機応変に対処すればいいでしょう。
 夫婦や家族の間では,気配によるコミュニケーションが機能しています。お互いの行動パターンを熟知している間柄では,気配を通じて進行状況が把握できます。手助けが必要な部分も分かっているので,時期を合わせて,手を貸すこともできます。気配によるつながりを保つためには,並んで前を見るという配置が望ましいでしょう。向き合えばお互いに邪魔です。背中合わせでは,気配はかなり遠くなります。すぐ横にいるという状態が気配を察するには最適です。
 優しさには,言われてする優しさと,言われないでもする優しさとがあります。頼まれれば嫌ということは言わずに何でもしてやるというのも優しさであると,男性は思っています。女性はそうではないようです。女性と行動を共にする場面では,ある程度の察しを発揮することが必要です。そうしないと,相棒として認めてもらえません。気の利かない人ということです。逆に,察しが良いと,いろんな察しを返してくれるでしょう。
 ところで,察して手はずを整えておくというのは,男女の間だけで問題になることではありません。共同作業をする社会では,組み込まれていなければならない手順です。渡すときに,相手が受け取りやすいようにして渡すという気配りがあります。雪が降り積もっている道を,通行する人が難儀をするだろうと察して,雪かきをするということもあります。察して必要なことをしておくという一人ひとりの思いやり,気配りがあるから,世の中は温かくなります。その手始めに,夫婦の察し愛があるのです。

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(2011年01月30日号:No.566)