《しあわせは 自然な時の 流れ見て》

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 窓の外にある花海棠が今春も花を開いてくれました。朝の間しか日が差さない場所ですが,ブロック塀から水路の上に枝を伸ばして,しっかり生きています。

今春の花海棠です

 筥崎宮の放生会の折に買い求めた鉢植えの花海棠を,庭に植えていました。ところが,大きくなってきて,狭い庭では邪魔になってきました。廃棄されようとしたのですが,枯れてもいいからと今の場所に植え替えられました。負けじ魂が発揮されたのでしょうか,しっかりと根付いています。絡むように2本の木が出ていたのですが,1本は枯れてしまいました。家の外壁の工事をする際に,足場の組み立ての邪魔になるということで枝を落とされたせいではないかと思われます。気の毒なことをしました。
 枯れた方の木は切り捨ててしまおうと思ったのですが,残しています。実は夏のアカトンボが舞う頃,アカトンボが列をなして止まるのです。枯れていない枝ではなく,枯れた枝を選んでいるようなのです。どういう事情があるのか分かりません。アカトンボの止まり木として役に立つならと,見てくれは多少気になりますが,残しています。
 今年の開花は,桜の花と同じで10日ほど遅れています。どのような時計を使っているのか分かりませんが,見事なものです。暦を見ることなく,一年という期間を人は判断できません。天体の運行や昼夜の長さなどのデータを積み重ねて暦を作らなければ年月を数えることはできません。植物は地球と太陽の運行による季節の経過,気温の変化のパターンをどこかで検知しているのでしょう。日照時間と気温を管理すれば,植物をだますことができる事実から想像できます。
 人がどうしようもない四季の移り変わり,その自然の動きを都市化した空間の中で身近に見せてくれるさまざまな開花は心を和ませてくれます。

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(2011年04月24日号:No.578)