《しあわせは 信じて任せ 引き受けて》

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 人には相性というのがあるようです。何となく肌合いに違和感があるということです。会議の場などで同席する際に,虫が好かないというほどではありませんが,存在を気にしてしまいます。よく観察していると,探るような目つきに出会います。何かと揚げ足を取るような物言いが多いと感じます。何より笑顔を見せない頑なな表情が苦手です。場の雰囲気を離れたところから眺めやって見下ろすような風情が気に障ります。
 いい加減な質なので,人がどうであろうと大して気にすることはないのですが,場に馴染んでいない人がいると気になってしまいます。どうせ同じ時間を過ごすのであれば,紳士的につきあいたいと思います。馴れ合いをするというのではなく,意見の対立はあってもいいのですが,陰気になることがないようにと願います。お互いにそれほど大層なことをしているわけではないので,もっと気楽に当たればいいのにと思います。
 会議の場に参画していると,思惑の違いから起こる意見のすれ違いに出会うことがあります。下部組織の運営が自立的に進むような提案に対して,上部組織からその必要性を否定するような意見が出されてきます。そこまでしなくても,現状の上部組織からの指導で十分であるという主張です。何かしら上部組織の権限を奪われるような錯覚に陥っているようです。任せるべきことを任せられるような体制を作り上げれば,組織にとってはよいことのはずですが,権限を握っておきたいという無意識が反発しているように感じられます。
 世話役を引き受ける人はできる人なので,あらゆることを掌握しておかなければ気が済まないという罠に掛かります。任せられることは任せてしまえば楽になるのですが,人の仕事ぶりが気に入らないという困った自負が邪魔をします。一人で見通すことのできる範囲は高が知れています。複数の目と知恵が統合できるようにすることが運営です。任せてもらえないことは信頼されていないというメッセージを伝えます。信頼されればそれに応えようと頼りがいのある働きがなされるものです。世話役は信頼のネットワークを創るのが役目です。
 任せたよ,引き受けた。その気持ちの連携が張り巡らされれば,組織は着実に活動を進めていきます。誰かがこうしなさいと引っ張っていくというスタイルもあり得ますが,強力なリーダーシップがある期間に限定されます。リーダーが交代をするような組織では,自立できる組織体制を組み上げておかなければなりません。信頼の関係がもたらす可能性を信じていなければできないことですが。

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(2011年06月26日号:No.587)