《しあわせは 仕掛けてみれば 前進が》

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 組織の中で,ある物事をはじめようとしました。他に先進事例のないことなので,0からのスタートです。はじめる気運は以前からあったのですが,具体的な動きとして始まらないままに,いわば開店休業というか,計画倒れの状態でした。
 最初のステップとして,とにかく実働組織を立ち上げようとメンバーを選び招集をかけました。考えなければならないことがあるので,その考察を任せるために,動ける組織にしなければなりません。最低限しなければならないことは,リーダー役として代表を決めることです。代表がいれば,組織は動くはずです。もちろん,代表を支えるバックアップは軌道に乗るまでは覚悟していました。
 所が,いざはじめてみると,思惑通りに運びません。はじめるべき物事に対するコンセンサスが得られなければ,始まらないというのです。こちらの心づもりは,コンセンサスを得るための組織を立ち上げようとしているのですが,理念が先だということに衆議が流れていきました。
 1からはじめることはできるのですが,0からはじめることには不慣れのようです。目標が与えられれば行動を起こすことができるのですが,目標を見つけることからはじめることは,漠然として捉え所がなくて手が出せないということのようです。
 何らかの権威に裏打ちされた指針があれば,それに依拠してことをはじめていこうというやり方がお望みのようですので,任せることにしました。組織の独り立ちを促そうと仕掛けたのですが,跳ね返ってきました。やろうとしていることは他に縛られる必要のない独自にはじめていいものですが,限りない自由度が手に余るようです。自由な発想を期待して任せようとしたのですが,結果として丸投げになったのかもしれません。お気に召す形に整えてやることにしました。もちろん,かなり限定的なものになります。
 片手間的に集まっている集団のすることですので,欲張ったことを望む方が無理であることは分かっています。ただ,それなりの方を集めたつもりだったのですが,それなりの立場が与えられていないので,どこまで踏み込んだらいいのか間合いが計れなかったようです。
 組織のトップとして,立場を与えて期待を掛けるという手続きを踏む必要があります。ただ,立場といっても,具体的な目標が見える立場でなければいけないことを学びました。

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(2011年09月18日号:No.599)