新聞の小さな囲み記事に,クリエーティブ・テンション(創造的緊張感)という言葉を見つけました。検索すると,たくさんのサイトで語られているようです。中の一つから引用すると
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クリエイティブ・テンションとは、マサチューセッツ(MIT)工科大学のピーター・M・センゲ教授が提唱したものである。『フィールドブック 学習する組織「10の変革課題」』(日本経済新聞出版社刊)では、次のように書かれている。
リーダーシップは、「クリエイティブ・テンション」を保持する能力から生まれる。クリエイティブ・テンションとは、個々がビジョンを明確にして、(能力の及ぶ限り)現実の状況についての真実を語るときに生み出されるエネルギーのことである。
自分の「ありたい姿」をビジョンとして描き、現状を明確にとらえると、ビジョンと現状のギャップが明確になる。このギャップ(緊張、テンション)は解消しようとする方向に向かう性質があり、それが個人の成長を促す源になることから「クリエイティブ・テンション」(創造的緊張)と呼ばれる。この「クリエイティブ・テンションを意識して選択をする」行為は、すなわち、自分の望む結果を生むために真剣に取り組むことであり、〈自己実現(マスタリー)〉の主要な実践法になっている。
現在の自分と思い描く姿にギャップがあり、それを埋めようとする。それがいい緊張感となり、達成しようと努力したときに大きな成長を遂げるのである。これがクリエイティブ・テンションである。
一方、現在の自分と思い描く姿にギャップがあると、達成できないと感じ(エモーション)、それに到達するために努力するのではなく、目標を下げたり、ゴールを作らなかったりする人がいる。これがエモーショナル・テンションである。自分のプライドや恐れ、不安、感情に流されてしまうのである。このようなリーダーについていきたいと思う部下はいないだろう。
→ http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/0902/18/news003.html
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期待像と現実のギャップを解消しようとすることによって,個人の成長が促される源になるという思惑のようです。夢に向かって歩むということと大して変わりません。尊敬する人になるべく近づきたいと努力することも同じです。いろんな形で言われていることを,クリエーティブ・テンションと定義してみせるのは,欧米人の得意技です。それをカタカナ語として取り込んでいくのは,日本人の習い性です。だからどうしたということではなく,単純に面白がっているだけです。
若者は新しい智慧を得たように吹いて回るのでしょうが,嫌みな年寄りは何を今更そんなことぐらいのことをと,冷ややかに聞き流すことでしょう。装いが新たになったに過ぎないということですが,それは口に出さずに,承っておきましょう。折角,賢くなったことを喜んでいるのですから・・・。