《眠いなら 眠ってみよう ひとときを》

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 90分の講義を2こま,午前中に済ませて,遅い昼食を摂り,食器類の後片付けをし終えると,やっと自分の時間に入ることができます。パソコンのスイッチを入れて,先ずは電子メールのチェックです。硬軟取り混ぜたいかがわしいメールを削除しながら,必要なメールに目を通します。その作業が終わると,仕上げるべき文書・ファイル等の作成に取りかかります。
 考えながら文字を打ち込んでいくので,1行を書くのにも時間が掛かります。考えがまとまらずに,あれこれ思考を巡らしているつもりですが,下手な考え休むに似たりで,いわばぼんやりしてしまうことがあります。その緊張の隙間に睡魔が入り込んできます。集中して考えようと目をつぶると,睡魔の思うつぼです。うなだれてこっくりとなります。思考が停止するという表現通りに,頭に浮かんでいる言葉が次の言葉につながらないで,引っかかっているようになります。
 昼食後の睡魔につきあうために,椅子に座った姿勢のまま,足を幾分開き加減にして,左右のバランスを確保して,手を肘掛けに載せて,目を閉じます。意識が途切れるので時間は分かりませんが,一瞬眠ってしまっているようです。少しでも眠ると,その後は睡魔もおとなしく去ってくれます。
 体を動かしているときは眠気は現れてきません。動いているときに眠ると危険であると,睡魔も気遣っているのでしょう。よそに出かけているときの午後は,眠るわけにはいきませんので,イスから立ち上がって,体を動かすようにしています。身体を使っていることを睡魔に教えてやるためです。ラジオ体操の一部を演じたり,勝手気ままな屈伸運動をするだけですが,睡魔は潔く遠慮してくれています。
 ディスプレイの背後にあるスピーカーから,ベートーベン作曲の交響曲第6番田園が流れてきます。NHKのインターネットによる放送らじる★らじるにつないでいるからです。田舎育ちのせいか,以前からとても馴染んできた曲です。久しぶりに音の流れに身を任せています。主旋律を口笛でなぞりながら,ディスプレイ上の文字を追いかけるように,打ち込んでいきます。頭では別の思考を進めながら,ながら聞きするのは,ベートーベンに失礼になるかもしれませんが,許してもらうことにします。
 連れ合いは,ある会のイベントで出かけていて留守なので,気ままに好きな時間を過ごしています。というのも,連れ合いが在宅の時は,同じ空間でテレビ番組を見ているので,音楽は競合してしまいます。どうしても聞きたいときは,イヤホーンを使っていますが,それでは身体で楽しむというわけにはいかないようです。亭主元気で留守がよいという言葉の逆バージョンです。冗談ですよ! 人並みにそういうことを言ってみただけです。
 好きなことをしているときは,睡魔も現れません。退屈の時間を持て余しているときに,退屈しているなら寝てみるのもいいのでは,睡魔が提案してくるのでしょう。睡魔って案外いい奴かもしれません。でも,あまりに無邪気すぎて,気を抜くと,居眠り運転のような危険なこともしでかします。田園は第3楽章に入っています。口笛は忙しくなってきました。

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(2012年04月29日号:No.631)