《身びいきが 人を選んで 結びつく》

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 オリンピックが終わり,スポーツ情報の洪水がスーッと引いていきます。国を代表して出場している選手たちが獲得したメダル数が,国別に集計されています。マスコミでは,日本のメダル総数は過去最多の38個であったと報じられています。ただ成績を見るのであれば,金メダル数が第1でしょう。日本は7個です。関係者の期待値の半分であったようです。
 ところで,国別の比較をする場合,人口の多寡を考慮する場合があります。そのことを計算してくれているサイトがありましたので,結果のグラフを転載させていただくことにします。
      【→ http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3983v.html 】

ロンドンオリンピックメダル数一覧です
 下段のグラフは,人口調整金メダル数で,日本の人口で7個の金メダルを基本として,各国の人口が日本の人口であったとした場合に相当する金メダル数を算出したものです。日本の人口の2倍の国であれば,メダル数を半分にしています。
 ジャマイカがもし日本の人口ほどであったら,189個の金メダルを取っているでしょうということです。金メダル数で1位のアメリカが日本の人口であったら,19個の金メダルを取っているはずで,17位までさがってしまいます。日本は金メダル数では11位ですが,人口調整をすると,かなり低位に下がってしまいます。図の中で日本より下回っている国は,中国,ブラジル,エチオピア,ケニア,カナダです。
 「1番でなければダメですか?」という部外者の声が聞こえてきますが,やはり国のレベルを見るためには,金メダル数でなければなりません。日本の競技スポーツの実力は,いまいちということになります。
 ところで,ぬきんでた運動能力を持つ人が現れることに確率的な要素が想定できるとした場合,100人に一人という選手と,1000人に一人という選手が競い合えば,後者の方が秀でているでしょう。人口の多い国の代表の方が勝って当たり前となります。人口の少ない国の代表は,人口の多い国では国内予選のレベルに相当します。人口の多い国の代表の方がそれだけ多くの予選を勝ち抜いてきているという意味で強者であることになります。この論では,競技種目が一つで,人口と競技人口が同一であるという前提があります。
 ゴールドメダリストの出現は,どの国の民であるかということよりも,どの季候の土地にいるかということ,競技人口がどのような状況であるかといったことなど,さまざまな要因が,効いてくるはずです。国別の人口調整金メダル数の比較は,運動能力の開発の推進については,あまり有効な示唆をもたらすものではないと思われます。国という意識の中で物事を見ようとしているだけです。応援する者が抱いてしまう愛国心の視点です。

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(2012年08月19日号:No.647)