ある朝,連れ合いが聞いているラジオに耳を傾けていると,ドラマの音楽をリクエストする番組のようでした。リクエストの内容やドラマの紹介もされて,主題歌などの音楽が流されていました。二つ目に出てきたリクエストが「青年の樹」のテーマ曲でした。紹介を聞きながら何かしら切なくなりました。過ぎ去った人生の瞬間を思い起こすことになるのですが,その場には戻れないもどかしさが,息苦しくさえ感じられます。過去は自分のものでありながら,自分から切り離されてしまっているようです。
ところで,青年の樹の主題歌は,気分の良いときにバスルームホールで独唱するレパートリーの一つです。歌詞はまともに覚えてはいないのですが,ハミングを混ぜて,たった一人の自分という聴き手に向けて歌っています。思い立って,歌詞を確かめるために,検索をしてみました。関連の記事等,一部を再録させていただきます。ヒロインの小林哲子に憧れていたことを思い出します。
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「青年の樹」は,石原慎太郎の原作で,月曜日午後8時30分から9時までの「ナショナルゴールデンアワー」の中で,1961年6月から80回にわたって放映されました。主役は公募で選ばれた勝呂誉と小林哲子です。残念なことに小林哲子が病気で降板し,香山美子が代役で出演しました。
出演者は,大空 真弓、勝呂 誉,小林 哲子,寺島 達夫,森繁 久彌(森繁 久弥),森 健二,馬淵 晴子(馬渕 晴子),沢村 貞子(澤村 貞子),香山 美子,高城 瑛子(滝 瑛子),小川 知子,水戸 光子,徳川 夢声,芦田 伸介,河津清三郎,山茶花 究,伊志井 寛,南原 宏治,石井 伊吉(毒蝮三太夫),竜 雷太の皆さんだったそうです。
青年の樹
作詞:石原慎太郎 作曲:山本直純 歌:三浦洸一
1 雲が流れる 丘の上
花の乱れる 草むらに
ともに植える ひと本の ひと本の
若き希望と 夢の笛
空に伸びろ 青年の樹よ
2 嵐すさぶ 日もあらむ
憂いに暗い 夜もなお
腕くみ合わせ 立ちゆかん 立ちゆかん
熱き心と 意気地持て
森に育て 青年の樹よ
3 多感の友よ 思わずや
祖国の姿 いま何処に
明日の夜明けを 告げるもの 告げるもの
我らをおきて 誰かある
国を興せ 青年の樹よ
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歌詞を読んでいくと,口ずさんでいた歌詞は,番号には無関係に,勝手に無意味につなぎ合わせていたものでした。懐かしむためではなく,今を楽しむためなので,それで良しとしていました。当時をきちんと再現して懐かしむということをするとつらくなって,楽しむことができなくなるからです。この感覚はおかしいのでしょうか?