《文字情報 伝える思い 曖昧に》

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 平成26年2月24日に東京都青少年問題協議会から緊急メッセージが発信されました。都民ではないので関係ないと言ってはいられない内容なので,一部を引用しておきましょう。

○最近,携帯電話・スマートフォン,PC(以下「ケータイ・スマホ」といいます。)の過度の使用により,以下のような心身の不調が生じたり,学業などに支障を来す子どもが増えています。
   身体面:視力低下,運動不足,エコノミークラス症候群など
   精神面:ひきこもり,昼夜逆転,睡眠障害など
   学業面:成績低下,遅刻,授業中の居眠り,留年・退学など
   金銭面:浪費,保護者のクレジットカードの無断使用など
   対人面:家庭な暴力,暴言,友人関係の悪化など

 呼びかけは保護者と中学生・高校生に向けられています。ネット依存による生きる力に対する阻害が見ていられなくなったということです。街を歩いていると,そこら中でうつむいて,手に持った画面を見ながら歩いている人が目立ちます。乳母車を押しながら画面を見ている若いママさんもいます。夜遅く帰宅するときには,暗い夜道を向こうからやってくる若い女性の顔が画面の照明を受けてボッと青白く光って見えます。おばけ状態です。
 それ程までに見ていなければならない情報とは何だろうかと思います。双方向のやりとりが便利になったということで,スマホなどが使われているのでしょうが,お互いに速効の応対を迫られるという強迫感にとらわれます。見ていないと置いて行かれる,付き合いの悪い人と思われる,そういった思い込みが恐ろしいのでしょう。一見すると,機器は使う人が支配しなければならないのですが,機器に人が使われているように見えます。しかし,よく見届けると,機器の向こうには人がいます。機器を通して人の思惑に振り回されていると考えるべきです。
 つながっている他人を信じられない,他人の疑心暗鬼を心配するのは,自分の投影になります。幼い頃から,人を信じる経験を重ねていないということと,逆に人の嫌なところをことさらに強調する情報の渦に飲み込まれている,そのような環境に馴染まされているために,不安感度が強すぎるようです。情報社会は人の悪しき姿をクローズアップします。ドラマはサスペンスで悪事ばかりが突きつけられます。韓国ドラマを眺めていると,欲にまみれた嫌らしい人物があれやこれやとしつこく登場してきます。気分が悪くなります。
 機器を介さないで,直接に付き合えば,人の温かさや優しさ,素直さなど,よいところをたくさん経験することでしょう。5感の内の視聴だけに片寄るから,思考が偏向します。味覚や嗅覚,何よりも触覚を働かせて,5感すべてでバランスよく周りを理解すべきです。ついこの前までは,それが当たり前であったのですが,情報耽溺が調和を壊したようです。何事も過ぎては害になるという経験を伝えていきましょう。

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(2014年03月09日号:No.728)