《本当の 中味の色が ない見出し》

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 世の変化に遅れないように,毎朝,新聞をざっと目で追いかけています。見出しを読んで,読むべき記事かどうかを判定していきます。読むべきという視点は個人的な関心においてということであって,一般的な意味で大事というものではありません。紙面に掲載されている記事は流れていく情報ですが,手元に留めておくために切り抜きをしておこうというものもあります。そのプロセスを,追いかけてみます。
 新聞を後から開いていきます。いわゆる3面記事から追いかけていきます。「葬儀代さえ失った」という見出しに目を留めました。見出しだけでは目を留めただけですが,すぐ下に「狙われる老後 振り込め詐欺」という小さなタイトルが次に目に入って,切り抜きました。高齢者の災難に関心があったからです。
 ページをめくって地方欄にある小さな記事の中で,「○○中でDV防止教育」という記事の文字と同じ程度で太字のタイトルに目が留まりました。関わっている組織でも類似のことをやっているので記事内容を読んでみようと思って確かめると,我が組織の活動でした。切り抜きです。
 家族欄では「養子縁組を選択肢に」という見出しに目が留まり,「少子化 わたしの意見」というタイトルを確認して切り抜きです。次の文化欄では「お金の量では測れぬ豊かさ」という見出しに目が留まります。サブ見出しの「途上国型から,先進国型社会へ」に視線が移動します。「?」。まだ関心との接点が見つかりません。最初の数行を読んでみます。「江戸時代後半の日本は先進国であった」という書き出しで,切り抜きに決定です。
 子ども欄では,「妖怪ウォッチ」の見出しが目に飛び込んできます。流行っているらしい妖怪ウォッチとは何だという思いがあるので,学習教材として読んだ上で,切り抜きました。さらに「解決は可能,早急に取り組みを」という見出しがありました。小見出しは「児童養護施設内の暴力・虐待」。仕事上の関心とつながりました。
 こんなに切り抜く記事がある新聞は滅多にありません。1件有るか無いかが普通です。それだけ関心の幅が狭いということです。政治やスポーツには全く無関心であることが見透かされることでしょう。
 ところで,新聞の見出しだけでは,内容が分からないということに気付きました。最初の記事,「葬儀代さえ失った」では,何のことか分かりません。「狙われた老後 振り込め詐欺」というタイトルで,何の情報であるかが確定できました。他の記事についても同じです。見出しとは内容を表しているものとなんとなく思い込んでいたので,ちょっと戸惑っています。
 似たような経験を数時間後に経験しました。買い物帰りの車中で,連れ合いが「○○○」って何の会社なんだろうとつぶやきました。窓から見える会社の看板を見て言ったようですが,最近は看板だけでは何の会社か分からない社名が増えてきました。カタカナ,英字の略語の名前が自分勝手に表明されています。何かを伝えようとしているとは思えません。
 名は体を表さないのです。本当の中味を知ってもらう,その見出しが,何色という情報を失って色あせているようです。

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(2014年12月21日号:No.769)