《本当の 世話もできずに 言い訳を》

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 毎年皇帝ダリアを植え付けてきました。前の年の幹を節目毎に切り離し,土中に寝かせて冬を越させ,温もりの時期に新しい場所に植え付けて増やしてきました。もちろん残した株からも次の年には芽が出て伸びてくれます。そろそろ植え付けの時期かなと思いつつ,暇を見つけられずに、とうとう時機を失してしまいました。手入れを怠ったせいで草で荒れてしまった庭の隅に,見慣れた新芽が大きく伸び上がっているのを見つけたとき、「遅い」と叱られているような気がしました。
 昨年は早めに世話をして除草をしていたので,小さな芽が地中からのぞいたのを見ることができました。ところが,いくつかの芽が虫に食べられて伸びることができませんでした。今年は無精をして草の間から大きく伸びてきた芽を見つけることになったのですが,草があったおかげで虫に新芽を食べられなくて済んだのかもしれないと,勝手に思い込んだりしています。なんとか無精の気まずさを糊塗しようという弱さです。
 連休にやっと自由な時間が得られたので,草取りをすることができました。使い慣れていない筋肉を使う作業で,疲労困憊しましたが,日頃の無沙汰のせいなので、受け入れるしかありません。それでも,きれいになった庭を眺めると,昨年の皇帝ダリアの株のすべてから新芽がすっきりと伸びてくれていました。ちゃんと芽を出してやったぞと言われているようで,済まないと謝るしかありませんでした。日曜日は地域の一斉美化作業の予定です。随分と遅れてしまいましたが,美化作業の流れとして,植え替え作業をしようと思っていました。
 もうすぐ陽ノ下に出してやれるからと思いながら,ダリアの節を埋め込んである畝を近づいて眺めていると,ぽつんと芽が一つ出ていました。ダリアの芽です。地中では待ちきれずに発芽してしまったようです。そのままにしておくか,掘り起こしてちゃんと植え付けてやるべきか,迷います。土をどけながらどういう状況になっているか,のぞいてみようと思います。生き物は時の流れに寄り添っています。時を止めたり早回しにしたり勝手に扱うことができるような思い上がりが,生き物を殺すことになります。反省しきりです。
 台風が発生しました。ぐっと進路を曲げて,こちらに向かって登ってくる予報が流れています。今年は台風が多いのかなと心配になります。ここ数年台風の直撃はないので幸運ですが,一つでもやってくると,皇帝ダリアは倒されます。昨年は,台風ではなく,低気圧の強風で2本が根元から圧し折られてしまいました。それでも,起こしてやっていたら,か細いながら花を咲かせてくれましたが,何とも切ない咲き方でした。風の心配をしなければならないのは,気苦労です。

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(2015年05月10日号:No.789)