《安らぎは のめり込まずに ほどほどに》

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 暮れのお酒が絡む会合に出席する際,車には留守をさせて,近くは徒歩で,遠くには交通機関で出かけます。列車に乗るといっても,2駅程度なので,あっという間です。暇なのと,乗車する機会が普段にはないので,物珍しさで,車内をなんとなく眺め渡します。どうしても目線は乗客の様子に向かいます。多くの人が手に持っているものを見ながら,いじくっています。スマホに集中しているようです。車中では目のやり場がないので,スマホはだれにも迷惑をかけない,格好の標的です。
 ドクターシーラボという会社が女性を対象にアンケート調査をして,3人に1人が1日2時間以上,スマホを見て下向きの姿勢でいるという事実を明らかにしました。スマホがないと不安になってしまうという人は,7割もいるそうです。1日2時間以上使っているのは,通話やメールだけでなく,検索やSNS投稿などに集中してしまうようです。スマホを見たときの身体の不調を感じている人が4割いて,目が疲れる,首がこる,肩がこる,という回答の順でした。
 見るときに生じる姿勢や集中することによる食いしばり・無表情状態,そして目の疲れが「スマホたるみ」を作り出す原因となっているという指摘がされています。美容というよりも健康上,ほどほどにしておいた方がいいということなのでしょう。
 車中の座席で孤立した世界にのめり込んでいるのは,個人の範囲なので他者には関係がありませんが,歩きスマホとなると,状況が違ってきます。他者との望まない接触が起こります。集中が一点に狭まるので,自分の周囲への危険予知警戒システムが作動しなくなります。自分で躓いたり転んだりするのは勝手であるとして,他者との衝突ははた迷惑です。嫌だったらそちらが避けたらいいのにという戯言が出るかもしれないと案じられます。脇見歩行になるから止めておこうという気配りを身につけてほしいものです。
 人の振り見て我が振り直せ,という言葉を思い出せば,スマホについてとやかく言っている御前はどうなんだと返さなければなりません。そこは,スマホを持たないので,振り返ることは不可能です。新しい機器が登場すると,その扱いが社会に馴染むには時間が掛かります。ゲームや携帯などの情報機器が個人仕様になった社会は,まだ走り始めたばかりです。個人と社会の双方がそれぞれ歩み寄ることで,新しい社会がやってくるのでしょう。車の自動運転,新しい生活機器もすぐそこまでやってきています。

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(2016年01月10日号:No.824)