《安らぎは ほどほどにして 飽きること》

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 生後4か月の子どもを育てている保護者の6割が,授乳中や食事中に携帯端末を見ると答えています。その理由は「子どもに見せるとおとなしくなる」「子守歌がある」といったことです。機械任せの育児と驚きあきれる小中学生の保護者や教育関係者がいます。でも,育児アドバイザーはこう言います。「育児経験がないなりに必死なのです。『何やっているんだ』という声は保護者を追い詰めることになると」。「近所に相談相手がいないから,困ったときはスマートフォンで解決方法を見つけることもある」。このような現実を前にして,忠告がされます。「このようなことが将来,子どもにどんな影響を与えるかはスマホに書かれていない。情報を鵜呑みにせず,考えて使って」。
 以上は,記者署名のある小さな囲み記事の一部です。数日前にアンケートの報告記事を切り抜いていたので,目に止まりました。忠告で結ばれていますが,この忠告は何も言っていないようです。「考えて使って」とは,忠告者は何も考えていないので,それぞれお好きなようにということになります。出かける人に,「何があるかわからないから気をつけて」と言葉をかけますが,何にどのように目を向ければ気をつけることになるのか,自分で考えなさいということです。忠告ではありません。ただの注意喚起です。
 スマホによる子守が,子どもの成長に与える影響が良いものか悪いものかは,未経験であることから,結果は未知です。推察はあれこれ可能ですが,当面は仮説でしかありませんし,個人差もあるでしょうから,明確な論証はできないでしょう。結局はパーセントの判定になって,○○した方がよいようですという評価になることが想像されます。
 健康の秘訣から対応を考えてみましょう。食べ過ぎに気をつけましょう! 何事も過ぎてはいけません。スマホに頼ることも仕方がありませんが,過ぎないようにしましょう。それが,生活感覚から得られる結論です。考えた知恵ですが,一方で,人には悪いものから身を守る別の方法があります。それは飽きるということです。同じものに対して飽きてくることで,過ぎることから逃れることができます。
 ところで,ゲームに耽溺して,脳の配線に欠陥が生じているという研究が発表されてもいます。脳が壊れると修復できない疾患になるので,成長は不良な状況になります。怖いことです。ゲームの制作者は,使用者が飽きないような仕掛けを巧みに織り込むので,耽溺状態に一気に過ぎてしまいます。社会的な抑制を機能させることが急務です。美食を追い求めた結果が肥満社会になったという経験から学ばなければなりません。興奮を追い求めて薬物にふけって,脳障害に至るという愚かさを反省することが必要です。

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(2016年02月07日号:No.828)