《安らぎは 心配よりも 寄り添いを》

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 新聞のコラムで,「イクメン」をめぐる永田町の騒動が取り上げられていました。

 自民党の宮崎謙介衆院議員が,同僚議員である妻の出産に合わせ育児休業を取る意向を示したことが発端。女性が働きやすい社会の実現に向け,男性の育児参加は世の流れ。少子化対策として政府も推奨している。ただ,男性国会議員の育休取得は前代未聞だ。男性の2.3%しか育休を取っていない現状に一石を投じる行動と注目された。一方で,国民の代表である国会議員にはなじまないとの指摘も。賛否が分かれていた。そのさなかだ。別の女性との不適切な関係が発覚し,宮崎氏は議員辞職願を提出した。個人的な醜聞に興味はないが,積極的に子育てし自らも成長する「イクメン」の先頭に立つ新しいタイプの政治家に期待した多くの人は裏切られた思いだろう。問題は,不祥事が育休拡大の機運に水を差さないか,だ。速やかに退場願いたい。

 執筆者は,イクメンを肯定し,育休の拡大を願っている人を応援しようという立ち位置にいるようです。国会議員の育休取得については,賛否の分かれがあると言うだけで,どちらに与するかは明らかにしていません。個人的な醜聞には興味がないのは,執筆者自身なのか,新しいタイプの政治家に期待した多くの人なのか曖昧です。執筆者は裏切られた思いの多くの人をどう見ているのでしょう。
 最も気になったのは,最後の不祥事が育休拡大の機運に水を差さないかという問題指摘です。育休を利用した不祥事があったからといって,育休の価値には何ら影響はないという常識があるはずです。一国会議員により育休取得が汚されたということは,育休制度とは無関係と思うのが普通のことです。育休拡大の機運に水を差すという心配をしてもらうほど,世間は幼くはありません。素直な感想として,読者をあなどるな,という言葉が浮かんできます。
 紙面が育休拡大は社会にとって良いことであるという立場であるなら,育休が目指す社会像を描いてみせることの方が,読者にはありがたいメッセージです。中立という姿勢が必要なのでしょうが,中立は動きを否定することで保たれます。良い選択,正しい選択をするという動きへの寄り添いを期待しているのですが・・・。

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(2016年02月14日号:No.829)