《安らぎは 新たな知識 つかみ取り》

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 購読紙に記者による小さなコラム記事があります。助手に巷の情報を探させているといった風情で,参考にさせてもらっています。ある大学の准教授による発表論説が紹介されていました。議員の定数削減に対する提案です。よく話題になるのですが,議員さん方が自分の身分を失うことを決めるのは難しいと思うとおりに,進展しません。そのような膠着を抜け出すには,思い切った方策が必要であろうと誰しも思いながら,新しい方策が出てくることもなく過ぎてきました。
 そういう手もあったのかと,実現性の判断は別にして感心しました。着目したのは投票率です。選挙区ごとの投票率が一定の投票率に満たない選挙区では,議員の当選を無しにするというものです。議員を選び出そうという意思が見られないので,議員はいらないと見なそうというのです。議員は選ばれる身ですので,選ぶ人がいてこその存在根拠があるのです。投票率の低下と議員定数の削減をリンクさせることは,これまで想定外のことでした。選挙民が決めるという原則に従えば,ごく自然な発想です。
 件の論説で,この方策を実行した場合にどういう結果になると予測されているのか,一次資料がないので分かりません。頭の体操として,考えてみます。投票率の低下傾向が以後も続くとすれば,議員定数の削減は進むでしょう。ただ,議員不在となるのは避けなければなりません。一定の投票率をどの程度に設定するかが大事になります。
 一方で,投票率が満たない怖れがある選挙区での議員立候補者は,当選するために,投票率を喚起する運動を進めることになります。功を奏したら,議員定数削減は達成できなくなるわけです。それでも,選ぶ方と選ばれる方が,選挙行動を通して政情をよく考えるようになることは良いことでしょう。
 立候補者が単独になれば,無投票ということになり,投票率は存在しません。その場合は,信任投票を求めるという措置が付加されるようになるかもしれません。ただし,条件となる投票率は競争の場合と同じとはならないでしょう。
 住民がどのような政治を望んでいるかを表明しない選挙は,意味がありません。議員が住民の意向をくみ上げる政策を掲げて,賛同を得るということが投票行為です。その検証が見えない選挙は無効であるという主張は,その通りと頷かされました。
 おもしろいネタを拾ってくれた記者さんに感謝です。おそらく,記者さんもおもしろいと思ったから,コラムに載せたのでしょう。皆さんはどう思いますか?

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(2016年09月04日号:No.858)