《安らぎは 余計な世話に ぬくもりを》

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 TBSのニュースです。
 おととし,相模原市の児童相談所が,両親から虐待を受けて自ら保護を求めた男子中学生について,親の同意が得られなかったなどの理由から保護を見送り,男子生徒がその後,自殺しました。
 問題を受けて厚生労働省は,児童相談所が「一時保護」を積極的に行えるよう,運営指針を見直して全国の自治体に通知しました。具体的には,一時保護をする際の保護者の同意について,これまでの「原則として必要」から「望ましい」に表現を改めた上で,子どもの安全確保が必要な場面では「一時保護を躊躇なく行うべき」としています。

 子どもが助けてとすがってきたとき,誰でも助けようとするでしょう。そこに親が出てきて,余計なことをするなと言ってくると,助けの手を引っ込めるしかないということになります。後で,その子が亡くなったと知ったら,後悔するはずです。手を引っ込めるんではなかったと。でも,やはり親に逆らうわけにいかなかった,と思うことになるのでしょう。
 中学生が保護を求めてきたら,児童相談所の存在理由を盾に一時保護はするようになることは認めていいと思います。親子の仲を裂くということではなく,一時的に預かるということで,保護者に考える時間を与えるためと考えられます。男子が自ら保護を求めるというのは,普通にはほとんどあり得ないと思います。弱みを見せないという男らしさに縛られているからです。保護を求めるときは,ギリギリの状況に追い込まれていると判断されるので,緊急性が認められます。
 保護を求めていないときに,親の同意を無視すると判断するのは,難しいことでしょう。それでも,一時保護という安全対策はやる方がいいと思います。社会からの余計なお世話という介入が,親子間の状況になにがしかの変化をもたらすはずです。当事者だけでは煮詰まっているのかもしれません。
 親子の間では,子どもは弱い立場に置かれています。子どもの味方になってくれる者がいて,いつでも手を差し伸べてくれるということが分かると,子どもはずいぶんと心丈夫に感じて救われることでしょう。一時保護というお世話を,緊急避難という意味だけではなく,親子関係への支援と認めていくべきです。 

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(2016年10月02日号:No.862)