《安らぎは 皆と真面目に 生きていく》

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 2011年にアメリカで発表された「長寿プロジェクト」が、性格と長寿の関連を報告してくれています。その特徴は,大規模な対象者集団を幼年期から晩年までの長い間に渡って追いかけた「80年追跡研究」であったことです。
 幼年期から大人になった後まで一貫して「慎重な努力家」だった人,つまり真面目な人が最も長寿だったということです。慎重さに欠けた人が最も短命で,途中で性格が変わった人がその中間です。真面目な人は慎重だから健康を守るために深酒や喫煙を避け,車に乗ればシートベルトを閉め忘れることがないなどの行動をするでしょう。そこで,死亡リスクが小さくなると考えられるそうです。
 遺伝的な要素も関係しているようです。真面目タイプの人は,衝動的な行動を抑える神経伝達物質のセロトニンの働きを活発にする遺伝子を持ち,それにより危険を避けることができているのではと考えられるとのことです。楽天家は長生きするという通説を覆す結果です。(以上週刊ポスト2017年1月)

 太く短くという生き方,細く長くという生き方,二つのタイプがありますが,その実現性は高いようです。真面目にコツコツと暮らしていると,いつの間にか長寿を迎えるということになるのでしょう。
 高齢者という世代の年齢を,従来の65歳から75歳にシフトしようという提言が出されました。環境衛生や医療の発達による長寿社会の実現の賜物です。今生きている人が先輩世代よりも一層真面目になったということができるのかは,わかりません。長寿への底上げの中で,真面目な人はより一層長寿になるということになるのでしょうか。日本での今後の長期の調査が必要です。
 一方では,貧困世代の子ども,いじめが渦巻く子どもの環境といった世情があることは,次世代が真面目に生きていくことを困難にしているということです。次世代への配慮ができない状況に手をこまねいている,社会としての不備に目を向ける大きな真面目さが求められます。社会が長寿であるためには,真面目な社会であることが必要であると学ぶべきです。日々面白おかしく生きる,そういう生活が普通になってはいけないのではないでしょうか?

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(2017年01月08日号:No.876)