《安らぎは 急ぎ働き 止めにして》

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 最近のテレビニュースでは,アメリカのトランプ大統領の動静が頻繁に伝えられています。思いのままに権力を振り回している風です。お陰で周りは振り回されている体です。アメリカのことだからと遠望していればいいというわけにはいかないようで,見通しを持つ力がないので,何となく不気味な状況に追い込まれています。
 人は社会に住んで生きています。今吹いている風は社会を寒からしめていると感じることに不気味さが漂います。キーワードがアメリカファースト,都民ファーストです。自分第一ということですが,それは他者のことは二の次と言い換えられます。それぞれが他者を後回しにすると,他者の集まりである社会は機能しなくなります。何をしようと俺の勝手という自由主義という金科玉条が暴走をしようというのでしょうか? アクセルだけでブレーキの無い車は危険です。
 最近の情報機能としてインターネットが多様化してきました。トランプ大統領のお気に入りがツイッターです。好き放題につぶやいています。つぶやきですから,対話にはなりません。対話をする気が無い,対話をする能力が無いということを露呈しています。対話よりつぶやきの方がことが早いという錯覚のみにとらわれています。社会は人が分かり合っていることを基盤として動きます。そこにブレーキが内蔵されていることに気付いて欲しいと願います。
 インターネットには,つぶやきという発信とは反対の側耳という受信の機能があります。一般的な検索という知る機能です。知りたいことがあれば,とりあえず検索すればいいという便利さが受けています。何か面白いことがないかといった程度の関わりが増えてきて,バカな映像をアップして「イイネ」を得たいという関わりも人騒がせになっています。
 この頃問題になっているネット情報の扱いで,個人情報の削除があります。何かしら不始末をしでかしたという特定の個人の記録情報がいつまでも晒されているのは如何なものかということで,知られない権利という訴えが出てきました。一般的には,個人情報はプライバシーの保護という認識で判断すればいいのですが,社会的に知ることに意味がある個人情報については,知る権利の方が優先して,公開すべきであるということになるようです。最高裁判断の事例となった児童買春をした人の情報削除は,公益性がプライバシーより重要として却下されました。悪いことをしたという個人情報は,皆の知る権利の前に晒されるべきということです。
 公私のせめぎ合いが今後あらゆる場面で再検討されることになるのかもしれません。その際に忘れないようにすることは,物事は連綿とつながっているということです。人の能力に合わせて個別に切り離して考えると,連鎖の筋道が必ず逆襲する結果をもたらすということです。性急な思考はいくら賢明でも,誤謬を免れることはありません。慌てず英知を集める,その落ち着いた論考が大事になります。そのためにネットがあると願います。

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(2017年02月05日号:No.880)