《安らぎは 知りたいことに 出会うとき》

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 あるイベントに参加していて,一つ学びました。物事を運ぶステップです。聞き覚えていたものは,PDCAサイクルでしたが,違うステップがあるというのです。計画や分析からスタートするのが,PDCA(Plan、Do、Check、Action)ですが,観察から入るOODAループというものを教わりました。少し調べてみました。

 OODAループは、自分を取り巻く状況が激しく変化し、予想外のことも起きる状況でも臨機応変に対応し、目的を果たすための意思決定モデルです。アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が、朝鮮戦争の航空戦についての洞察をもとに、現場の兵士の意思決定と行動のプロセスを簡潔にモデル化しました。
具体的には、「観察(Observation)、情勢判断(Orientation)、意思決定(Decision)、行動(Action)」のサイクルを繰り返すことによって、敵よりも早く迅速に適切な行動を取れるようにする。OODAループはアメリカ海兵隊が活用しています。環境変化が激しく、先が読めない今日、一般企業でも注目し、導入するところもあるようです。具体例を挙げると、ボイド大佐が参戦した朝鮮戦争においては、米空軍の主力戦闘機はF86 、北朝鮮側はミグ15でした。機体性能は後者が上でしたが、撃墜率は前者が上回りました。その要因がF86の視界の良さやレーダー網による戦闘支援です。ここからボイド大佐は、「戦局を左右するのは情報量と意思決定のスピードである」という結論に至るのです。
 できるだけ多くのことを観察しなければなりません。ただし物事を"ただ見ている"だけでは不十分で、観察対象の何がどう変化しているのか、相互の関係はどうかなどの暗黙知を溜めていく。物事の全体像と、それらを取り巻く事象の関係性を直観すると同時に、敵側の視点にも立つことがポイントです。当たり前のことのように思えますが、それをモデル化したのがOODAループの優れた点です。
 最も重要なサイクルは,Orientation=情勢判断です。同じ状況を観ていても、個人の素養や培ってきた経験、組織の文化などによって、その解釈に差が生じます。そこに関わるのが、「伝統・文化」「分析・総合」「先行経験」「新しい情報」「遺伝的資質」といった要素からくる判断能力です。それに長けた人材や組織、そして何らかの仕組みが、情勢判断のカギとなります。観察で収集した情報に基づいて適切に情勢を判断できれば、自ずと意思決定や行動につながっていく。ボイド大佐も情勢判断(Orientation)を特に重要ととらえていて、これを「ビッグO」と呼んでいます。
(→ http://digital-innovation-lab.jp/columns2/itl3_nonaka/ )

 OODAはウーダと呼ぶそうです。変化の激しい物事に対処するためには,PDCAサイクルのPlanから始めるやり方は,Plan段階での状況が実行段階で変化すると不適切は対応になります。その都度Observation(観察)を行い臨機応変に対処する機動性が望ましいというのです。このループは最近のものではなさそうですが,全く知りませんでした。遅ればせながら学習してみようと思っています。楽しみができました。

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(2017年02月12日号:No.881)