《安らぎは あるがままを ひたすらに》

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 葉を落としてすっかり丸裸であった枝に,緑の芽が吹き出して,みるみる増えていきます。続いて小さくて紅いつぼみが伸び出してきます。カタツムリの目のような形をしています。目の前にある花カイドウです。ついこの前まではスズメたちが落ち穂を食べにやってきて止まっていました。ただの枯れ木同様の姿だったので,止まり木に相応しかったようです。

28年花カイドウの芽吹きです
 カイドウの花は桜よりも後に咲くので,花を楽しむ時間を長引かせてくれます。そういえば,桜の開花宣言がこの地では数日延ばされています。気象台の標本木に2輪の花が咲いていましたが,開花とはいわないそうです。4,5輪の花咲きが条件だそうで,テレビ局のカメラが連日かよってがっかりしています。1,2輪では早とちりの花であるかもしれず,4,5輪なら全体の動きと見なしてよいということでしょうか。
 人の世界でも,1,2人が騒いでもどうということはありませんが,4,5人が騒ぐと皆が何事かとついていくことになります。マスコミも1社でなく数社が騒ぐと世の中が騒がしくなります。テレビのチャンネルを変えても同じ話題しか見えてこないという状況とは,社会が動いているのでしょうが,一億総○○は面白くありません。
 近隣までを眺めていくと,あれこれの花の咲く花木があります。季節の移り変わりに沿って,花が順番に咲いてくれます。全ての花が一斉に咲き乱れるということはありません。それぞれが別々に自分の季節を持つことによって,共存できるからです。花は受粉を手伝ってもらいたいという願いであり,それに応える虫や鳥などの自然環境は有限であり,順序よく出番を待つことが必要です。
 それぞれが自分の時間を守って,その時間を繰り返していくという季節の循環が,生きていくものの姿であるという原則は,なぜなのでしょう?

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(2017年03月26日号:No.887)