《ご婦人に 番号尋ね 叱られる》

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 先月,新しい電話帳が届けられました。同封されていた1枚の紙に,個人編は希望者だけに届けるという案内が載せられていました。その理由は,最近の携帯電話の普及で個人間の通話が減ってきたこと,電話帳に番号を不掲載にする個人利用者が増えてきたことが挙げられていました。
 自分の電話番号を持つことは社会参加の資格でした。アパートの取り次ぎ電話しかないということは,まだ一人前ではないと自認していたものです。もちろん,堂々と公表すべきものであったのは言うまでもありません。電話帳に載っていない電話番号は,秘密結社かスパイ,公私ともに特殊なお仕事のひとたちの番号と思われていました。
 電話は一つの家族が世間に開いている情報端末でした。発信はもちろん,要件の有無にかかわらず知人からの受信を可能にすることで,生活上のつきあいを円滑に運んできました。
 ところが,独身世帯が増え,おまけに狭いつきあいしかしようとしない傾向が一般化するのと軌を一にして,携帯電話がもたらされたお陰で,一気にプライベート化した情報端末ができあがってしまいました。携帯電話の電話帳なるものが必要かどうかについて,当初検討がなされたのかどうかは知りませんが,これほど普及し頻繁な変更がされている現在では,とうてい物理的にも不可能でしょう。
 ナンパをするときに「携帯電話の番号を教えて」が誘いで,メモをもらうと成立したことになるそうです。浮気の摘発にママ族はパパの携帯のメモリーをチェックするとも聞きました。やはり電話帳に載らない電話番号は秘密の番号のようです。
 携帯番号は家族にしか教えていないので,もっぱら連れ合いの携帯との交信だけです。「今終わったから迎えに来て!」というアッシー呼び出しか,「○○分のバスです」という出迎えコールです。もちろん,家の電話はオープンですから,電話帳にも載ってます。ただし,氏名が特定できないと探しようがありませんが。忘れていました。たまに大人専用?のメールが不作法に飛び込んでくることがあります。アドレスを変更してもほんのしばらくしか効果がありません。今のところ数日に1本程度ですので,お目通りも適わず廃棄されています。秘密は持ちたくありませんので?
 連れ合いがボランティア活動をしている関係で,結構年輩層のご婦人方とのつきあいが広がっていきますが,電話連絡をしたいときに困っています。ご婦人の名前を知っていても,電話帳はご主人の名前で載っているので,同姓の中から探し出せないのです。友達の輪に頼るしかなかったことが度々です。情報ネットワークの空白地帯が意外と身近に存在しているようです。

(2001年12月23日号:No.90)