《安らぎは 情報出して 知られねば》

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 市場調査会社ジーコムまとめのご当地情報が目にとまりました。年代毎の興味関心のある情報は何かという調査です。複数回答で,上位3つは次の通りです。

 1位2位3位
20代グルメ料理TV映画音楽ファッション
30代グルメ料理TV映画音楽ファッション
40代グルメ料理TV映画音楽健康医療
50代TV映画音楽健康医療経済景気ビジネス
60代以上TV映画音楽健康医療経済景気ビジネス

 40代と50代の間に線が引かれると見えます。「グルメ料理」が落ちていくというのではなく,見事に消滅しています。若い世代は食欲に引きずられているようです。色気に係わる「ファッション」が3位に甘んじているのは少し気になります。一方で,50代から腹八分ということで食欲を断ちながら「健康医療」に関心の順位を上げているのは頷けます。「経済景気ビジネス」への関心は,懐具合が子離れから先行きで気になってくるところです。
 不思議なのは,TV映画音楽が若い世代で2位,壮高年世代で1位という結果です。食い気と色気,健康と暮らしの糧といった生きていく上での必須の関心の中に,違うものが紛れ込んでいるといった印象です。どちらかといえば,余暇,暇つぶしです。正直なところ,他にすることがあるのではと,思います。社会人という他者との現実のつながりに関する情報が上がってしかるべきと思います。
 情報社会とは人とのつながりを確保するために生まれてきたはずですが,閉じこもって余暇にふけるという関心に向かってしまっています。人とのつながりを何となく忌避することになっています。人とのつながりが情報回路を介するようになって,人との触れ合いが消えて,直の付き合いが鬱陶しいと感じられていきました。その先に,人とのつながりから身を引いている向きに進んでいるような気がします。自分ファースト,その流れでいいのかということです。
 人とのつながりには,自分を解放し,自分の情報を開示し,自分を他に依存させることが必要です。触れあうということは,直に重なる部分がなければなりません。他者と触ることが嫌というのでは,ふれあいは成就しません。情報については,個人情報を互いにある程度曝け出さなければなりません。個人情報の保護という規制も,人のつながりを断つことに貢献しています。人とのつながりを断っているから,「誰も私を理解してくれない」という孤独の淵に立つことになります。理解してもらうためには,曝け出すことです。

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(2017年07月09日号:No.902)