《安らぎは 出会った本に 導かれ》

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 お盆休み中も何かと通常の所用があってお盆らしい風情はありませんでしたが,世間はいつもより暇そうで緩やかな時間が流れていました。お陰で気持ちに余裕ができて,空いた時間に読書となりました。そうなんだ! そうだ! そういうささやかな感動がありました。立場が違う,生まれや育ちが違う,経験が違う,視点が違う,価値観が違う,こだわりが違う,つまり人が違うと,同じ物事から異なった言葉を紡ぎ出します。解釈が違うのです。
 手にした書籍から論理の断片を見せてもらうと,それを自分の論理につないでみます。そうすると,世間の実情が思っていた像と違って見えてきます。一つの行動の断片を知らされて,知り合っている人に対する印象がガラッと変わることがあります。そういう人とは知らなかった,それと似た経験をすると,とてもうれしくなります。新しい知見が手に入るということは,それ以前には全く存在していなかった世界に踏み込むことになります。
 今現在,自分の知らない世界がすぐそばにある,そこに入る道は自分では見えません。それを教えてくれるのは,他者との交流であり,その一つの形が読書になります。昔からいわれている理解のパターンとして,象の話があります。長い鼻を触っている人は象は長い鼻の動物だと,大きな耳を触っている人は象は大きな耳の動物だと,足では太い足の動物だと,それぞれどこに触れているかによって,象の姿が違っているという話です。他の部位を触らなければ分からない象の姿があるのです。
 生きていく上で,人は物事を知りその情報にどういう対応をするかを判断し決めて行動に移します。でも,たまに適切な対応になっていないことがあります。知っていることが狭かったということでしょう。知らないことがたくさんあるという前提を置いて,判断に幅を持たせて,行動をゆっくりと見極めつつ進めていくことが大事です。
 事業を実施するとき,PDCAサイクルを踏むことが基本ですが,チェックにより期待した状況からずれが生じたら,それは知らないことがあったことを示しています。新しい知識を手に入れるためには,他者の持っている論理を参照することです。普段から,何を知っているか確認することも必要であり,読書はとても効果的な事前検証になります。自分の知らないことがある,それを一つでも知っていくことができる,その可能性はとても心弾みます。 

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(2017年08月20日号:No.908)