家庭の窓
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ブータンの国の幸せの方程式というのがあります。幸せの量は,財産の量を欲望の量で割った数値というものです。
(財産)÷(欲望)=(幸せ)
先進国では,分子の財産を殖やせば幸福に近づくと考えるのが普通です。ブータンでは分母の欲望を抑える考え方をするということです。そうすれば,財産が少なくても幸福ですし,他人をうらやむ感情もなくなっていきます。
視点を逆転してみます。幸せになるためには,欲望を励みとして懸命に働いて財産を殖やしていくことも可能です。地道に働いている人はそう思っているはずです。もちろん,いくら働いても財産が増えないということもあります。あるいは欲望を膨らませることしかできないと,不幸に向かいます。
やっかいなのは,財産は社会との関わりに依存するところもあるので,自分の思い通りにはならないものです。かろうじて,欲望は自分のことなのでなんとかなる面があります。それが幸せの近道ということでしょう。
欲望を減らすと,幸せ度が増加します。そこで,終わりにしてはまだ幸せ度は完成しません。幸せ度を無限に求め続けるのは,賢くないのです。欲望を減らすと幸せ度が増えますが,その幸せ度もある程度のところに押さえるのです。そうすれば,財産量が余るようになります。足るを知るということです。
その余った財産を,周りの人に分けるのです。そうすれば,周りの人の幸せ度を増やすことができます。自分だけの幸せではなく,周りの皆と幸せになることを願う,それがワンステップ上位の幸せになります。欲望を減らすという我慢ではなく,みんなで幸せになるために分け合うという気持ちに転換する方が,幸せな考え方です。
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