《カミさんに ご縁いただく 50円》

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 慌ただしく年末年頭が過ぎて,あっという間に相も変わらぬ日常が始まりました。日々に追い立てられるか,それとも日々を追いかけていくか,毎日の葛藤が面倒でもあり楽しみでもあります。好きな総菜はどちらかというと後回しにする習性が身に付いていますが,暮らしぶりは面倒なことを後回しにする場合が多いようです。これでは追いかけられるはずです。
 新年が動き始めると,いつものことなので何となく流されているのですが,ちょっとだけ流れが違っているような感じを抱かされることがあります。それは,新年が始まると,年度の後始末の期間に入るからです。今年はがんばろうという上昇気分なのに,実際にやることは終わりに向けた下降気分です。1月から3月までが寒い期間であることも手伝って,どうにも気勢が上がりません。新年の決心が中途半端になってしまうのは,どうもこの年度のせいのような気がします。
 現実的な「新春」は桜の咲く頃なのですが,そこでもサクラはパッと散り終えます。五月病とやらで気分が滅入ってしまう羽目になります。どうにも話が天まで昇れない堂々巡りをしています。経済界で言うところのデフレスパイラル状態です。こんな時は一杯飲んで気分を持ち直すとよいのでしょうが,ほとんど下戸の身ではそれも適いません。手の付けられないダッチロールに突入しそうです。
 苦しいときの神頼みならぬカミさん頼みで,遅ればせながら連れ合いを拝むことにしましょう。まず柏手を打って眠っているカミさんを起こします。始終ご縁をもじって45円の賽銭を上げようとしましたが,あいにく50円硬貨しかありません。お釣りとして5円=ご縁を頂くことで話を付けます。連れ合いが呆れてにっこりしています。その笑顔がご利益になります,と皮算用をしてみたのですが・・・。
 ところで,夫婦関係を年代別に捉えた言葉があります。「十代の夫婦はセックスで夫婦です。二十代になると愛で夫婦,三十代になると努力して夫婦,四十代になると我慢の夫婦,五十代になると諦めの夫婦,六十代になるとお互い感謝で夫婦。やっと夫婦です」。これが夫婦関係から見た人生の物差しであるなら,連れ合い共々成長が止まっているという測定結果が得られそうで,落第しているのかなといった気分です。
 隠れ天の邪鬼を自認して,世間の常識を斜交いに切り続けてきた報いなのでしょう。もちろん横紙破りをするほどの無軌道は性に合いませんが,その場その場でちょっとした反骨心を甘く包み込んで投げかける,イメージ崩しという小さなイタズラを楽しんでいるだけです。よいと言われるものに疑いを投げかけ,わるいと言われるものを弁護したくなる,まだまだ青くて,これでは当分年を取れそうもありません。
 これからも,そんなこんなの落ちこぼれ状態を開き直って心ゆくまで楽しんでいくつもりです。

(2002年1月6日号:No.93)