《喜びは 伝える手入れ 伝わった》

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 生きていると何かと物入りです。特に食品は,完全消費者ですので,すべて購入しなければなりません。消費期限があるので,頻繁に買い物をする必要があります。要件の無い空いた時間に,スーパーに買い物に行きます。連れ合いは足を痛めているので,買い物メモによるお使いをすることになります。
 カートを押して店内を回っていきます。メモに目を通して一応の品揃えを見ますが,進みながら手近で買うものを探して,籠に入れていきます。ところが,メモの品の並びが,あちこちに飛んでいて,面食らいます。歩く経路は,果物から野菜,豆腐,かまぼこの棚に沿って行くのですが,買い物メモは野菜や肉や魚調味料や卵,がごちゃ混ぜになっています。野菜があっちこっちに散らばっています。メモ全部を買い物毎に確かめることになります。なぜ,乱雑にメモしてあるのかと,呆れます。
 メモの品揃えをよく見ると,それは料理毎にまとまっているようです。おかずのメニューを想定して,必要なものを書き出していくと,食品の種類は順不同になります。買い物を頼むときには,メニューを思い浮かべながらメモをすることになります。当然,売り場はあちこちに散らばってしまいます。いい加減に品物が散らかっているのではなく,それなりのまとまりがあったのです。
 メモを書く者の想定と,メモを見て買い物をする者の利便性は,すれ違っています。例えば,買い物を依頼するとして,買いやすいように,売り場の順に品物をメモすることも可能です。メモ用紙に予め売り場の場所を割り当てておいて,メニュー毎に思い浮かぶ品物を,売り場に当てはめるようにメモをします。メモの使われ方に気配りをすることが,連携作業の円滑化につながります。夫婦の買い物メモにそこまでは求めませんが,共同作業をする時の大切な配慮です。
 ひとりごとをしているときはいいとして,他の人と関わることになる行動をしている際には,その人のためにという気配りが望まれます。仕事をする際に,自分の役割はここまでときちんと断ち切っていると,つながりがギクシャクします。次の人が動きやすいように手を入れておくことが,仕事をする最後の手入れです。家庭生活でも少しも手入れをしないでいると,立場の違いが価値観の違いに転換して,危ういことになります。ましてや,社会生活では,一緒に仕事をしたくない人になりかねません。
 このつなぎへの配慮は,仕事では誰のために仕事をしているか,ということにつながっていきます。自分の仕事を楽にしようとしていると,伝言ゲームが正確に伝わらないように,仕事の連鎖が逸脱していきます。この仕事は誰のためにしているのか,その届け先を見失った仕事はしてはいけません。伝えたと伝わったとは違うのです。

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(2018年03月18号:No.938)