《できるかも そのハードルが 越せる人》

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 若い気持ちを保つ秘訣はあるのでしょうか? 若さとは生きようとすること,今日よりも明日がよりよくなるという衝動的な思いこみでしょう。明日も今日と同じ,悪くなることはあってもよくなることはないと思っていれば,そこには若さは入り込めません。どちらを選ぶかはその人の判断次第ですが,判断を左右する要因はどのようなことなのでしょうか?
 それを探るために,老成したといわれる状態を考えてみましょう。「世の中とはそうしたものだ」と悟ってしまうことです。長い経験から,あらゆることがどう動いているか察しがついてしまいます。察しがつかないと落ち着かないという人の弱さが,その思いこみにすがろうとします。
 人は分からないことには不安を抱きます。したことがないことは見通しが立たないので,二の足を踏みます。先行き不安という状態はなるべく避けたいと願うものです。そこで人は経験を整理することで理屈という手段を作り出してきました。理屈通りに事が運べば,先行きが見通せるからです。計画を立てたり予定を組んだりすれば,安心できます。
 テレビを見ていたら,人の視覚情報に関する実験が紹介されていました。暗い背景上に浮かぶ輝点が玉突き台上の玉のように動いたり上から下に何かにぶつかりながら落ちくるように見える場合と,でたらめに動く場合があって,どちらが生きているように見えるかという実験です。でたらめに動いている方が生きているように感じられるという結果です。人は理屈通りに動いていると生きているようには感じなくて,動きの予測ができない方に生命の特徴を見つけるようです。
 生きているという感覚は理屈通りではない時に現れてくると思われます。例えば,約束通りに頂いたものと思わぬプレゼントでは,後者の方が喜びが感じられます。いろんなことがあった方が人生は楽しくなります。誰しも楽をしたいものですが,楽をし続けたら生きている実感はないでしょう。
 若さとは何が起こるか分からないけれど,それに向かって挑戦することです。分からないからやってみようという気持ちを持てるとき,それが若さを引き出してくれます。「どうせ,何をしても大したことはできない」と自分の明日を見限ったら,それは自分の理屈を過信した不幸であり,生きている楽しみを捨てることになるでしょう。
 若さの証である自分の可能性を伸ばすとは,未知なる世界に飛び込んで,そこにあるはずの小さな輝きを見つけようとすることです。ちょっとだけ跳んでみましょう。

(2002年1月27日号:No.96)