《喜びは 人それぞれが ファーストに》

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 ファーストペンギンという言葉があるそうです。ネット検索して,一例を引用しておきます。

 群れで行動するペンギンの中で、魚を獲るために一番に海に飛び込める勇気あるペンギンのことを指します。海にはペンギンの敵とも言えるシャチやトド、オットセイなどの肉食獣が、今か今かとペンギンが海に飛び込んでくるのを待っているかもしれません。しかしペンギンも魚を食べなければ、生きていけません。そうしたペンギンの恐怖や迷いの中で、勇気を持って一番に海という危険地帯に飛び込んでいけるペンギンを「ファーストペンギン」と呼ぶそうです。
 もしかすると、自分の命を落としてしまうかもしれません。ファーストペンギンのおかげで、セカンドペンギンやサードペンギンは安全を確かめてから、海に入ることでリスクを回避することができるのです。しかし,ファーストペンギンはリスクも多いのですが、他方で魚たちに気づかれずに真っ先に取れるチャンスも一番多くなります。もし後から大量のペンギンが海に飛び込んでくると、海は荒れて魚に気づかれ逃げられてしまい、獲物を逃してしまうことも考えられます。
 ファーストペンギンはハイリスクを取るものの、ハイリターンを得るチャンスが多いということになります。逆にセカンドペンギン以降はリスクは少ないものの、得られるリターンもファーストペンギンに比べ少なくなるということから、事業の分野で引き合いに出されているようです。

 ファーストペンギンは,自らファーストであることを自覚して行動しているのでしょうか? ペンギンには失礼ですが,たかがペンギンに群れのためを思いやる能力があるのか疑いたくなります。人の社会でも,先駆者という意味でのファーストである人が世のためという自覚を持っていたのかどうかということです。ただ新しいことに挑戦したいというだけであったのかもしれません。事業分野であれば,誰よりも先に成功したいというだけの欲であるかもしれません。それでも後付けでファーストペンギンの栄誉を受けます。
 ただひたすら頑張って生きていたら,たまさかうまくいって,結果としてファーストであったというだけのことでしょう。社会現象は個々の人がそれぞれ勝手気ままに動いているのですが,振り返って全体を見ると,新しい動きの始まりにはファーストペンギンとなる人がいるという構図です。人が社会を作っていきているメリットが,誰でもファーストペンギンになることができて,誰かがファーストペンギンになっていくということです。
 新聞のコラムに,今年のノーベル平和賞を受けた人の「ファーストペンギンの勇気」が称えられたとありました。性暴力を受けたイラク人女性の過酷な体験を証言し国際社会に告発した勇気に感動させられます。SNSで性被害を告発したアメリカの女優もファーストペンギンになるようです。なぜなら,社会は#MeToo運動として動き出しているからです。ということは,社会が動き出さなければ,折角のファーストが消えてしまいます。1だけではファーストになりません。2,3,・・・と続くから1が確定されます。

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(2018年10月14号:No.968)