《寒い朝 眠りの時を 延長し》

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 広い海原を渡る鳥がいます。旅を終えるまでには,何日も掛かるでしょう。その間不眠不休で飛び続けているのでしょうか? 連日の徹夜続きでよく耐えられるものと思います。一晩の徹夜をすると明くる日はぼーっとしてすっかりダメになる身では,ただただ感心するばかりです。
 実のところ,渡り鳥は飛びながらも左右の脳が交代で眠っているそうです。やはり生命には眠りが無くてはならないようです。自らの不甲斐なさを少し取り消し,同時に眠りの大切さを再認識しました。
 睡眠には深浅の波があるそうです。いったん眠ってしまうと朝まで目覚めることがないので信じがたいのですが,多くの人を対象とした測定の結果による事実だそうです。浅い睡眠のときに夢を見るそうですが,夢を見ないから深い睡眠しかしていないとは言えず,夢を思い出せないだけだと言われます。ああ言えばこう言われるという次第ですが,研究者が言うことですから信じざるを得ません。
 さて,深い睡眠は90分サイクルになっています。そうなのかと聞き流してしまっては,もったいない情報です。睡眠は体のリズムですから,この90分は人の生理的な持続時間と考えることができます。
 そう言えば,と話を広げていくのが考える人なのでしょう。映画の上映時間は概ね90分ですね。睡眠時間の情報を知らない時代から,人が継続して楽しめる時間は90分程度だと,映画製作者は経験的に感じ取っていたようです。テレビの2時間スペシャル番組も実質的には90分ですね。
 まだまだ続きます。大学の講義も90分です。小学校になると,90分の半分,45分授業になります。テレビでも45分番組があります。サッカーなどの競技時間は45分間の前後半になっています。このように,ちゃんと体のリズムに適う時間が選ばれています。
 さらに短くすると,半分ではなくて3分の1の15分になります。その倍である30分も一つの区切りでしょう。こうして生活時間を見てくると,慣れ親しんでいる時間は一つの糸の上に並んでいきます。
 寒い朝は起きあがるのが辛くて,目覚ましを止めてもうちょっとだけと目をつぶると寝過ごします。5分だけというのは体のリズムに合っていないせいでしょう。都会型の生活は無機的な時間で動いているので,生理的時間とズレを生じ,それがストレスになります。夜が明けたら起き出し,日が暮れたら寝るというゆったりしたリズムに憧れるのは,生き物としての当然の本能です。
 眠りの時をあかあかと照らし出しハイテンションに過ごしていては,寝起きが悪いのも自業自得です。

(2002年02月10日号:No.98)