《喜びは あれやこれやが まとまりに》

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 新人研修をするために出かけていた折,時間前に,別件で会議をしていた人がお話があると近づいてきました。数日前にある会議で同席していた人です。その会議における展開を心配されているようでした。
 グループの代表が出席して,ある事業を推進するという会議です。誰でも取り組めるようにマニュアルを作ろうという協議がなされていました。グループには未実施も含めて実績のばらつきがありました。実績のあるグループからは,既存のマニュアルの説明があります。一方で,グループが関わる環境の違いから,事業に当てることができる時間が不揃いであることも語られます。それぞれの立場で意見が出てきて,まとまりがつかない状況になります。協議の機会はもう一度という実情の中,各グループでそれぞれマニュアルの素案を制作して,次回に持ち寄るという流れになっていきます。
 この展開がまどろっこしいと感じられたのでしょう,会議の進め方について提案されてきました。つまり,会長である私に協議の道筋を提案して欲しいというのです。全体イメージができあがらないままで協議しても,具体的細部にのみ止まって,短時間では組み上がっていくように思えないのでしょう。早くゴールに辿り着きたいという効率を考えると,トップダウンでこうしなさいと引っ張っていく展開が採用されるべきでしょう。
 会議を導いている委員長がいるので,会長はメンバーの一員として出席し,協議の流れを見定めて,必要な環境を整えることをしています。それぞれが自ら考え納得していくプロセスとして,協議がぐつぐつ煮えてくる時間を待っています。その人には,ボトムアップでできあがることを期待しているとお話をしました。もちろん,必要な段階では,求められる指導をする準備はできていると,付け加えておきました。
 工業製品であれば,設計図を提示することで,ものはできあがっていきます。他方,農産物のように育っていくものについては,土壌のような環境の整備で促していくことしかできません。人の活動を生み出そうという場合,人の意欲が育たないと動きません。言われてするのではなく,自分で考えてする,そういう活動にしたいと思っています。
 現段階の協議は,活動を構成する要素の取りそろえの段階です。この場合はこうする,あの時はああする,こうして材料が集められてきます。次は,自分たちは一体何をしようとしているのかという目的の明確な自覚です。目的に沿った要素の配列を進めることが可能になり,協議は創造に向かっていきます。次の会議で,各グループがどのような目的意識を提示してくれるのか楽しみにしています。

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(2019年01月13号:No.981)