《喜びは 受け止めるより 受け入れて》

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 短い手紙のコンクールから。「てんきんってわるもんが,せんせいをつれていった。やっつけるから,もどってきて」。4歳の男児が,転勤でいなくなった幼稚園の先生への思いを綴ったものということです。「そうなんだ。もどってきてほしいんだ」。それが,受け止めるということです。子どもの立場からは,転勤は悪者になります。先生にとっては必ずしも悪者ではなく良きことであるかもしれません。自分に都合の悪いことを悪者として勝手に排除することはしてはいけません。
 気持ちは分かるが,子どもの未熟な勝手な思いを受け入れるわけにはいきません。「そうだよね。やっつけてもどってきてほしいね」と言っては,転勤を悪いと決めつけてしまうことになります。先生には先生の思いがあること,それは自分の思いとは違うということ,そのことに気付かせることが肝心です。子どもとのやりとりでは,受け止めることと受け入れることを使い分けるように気をつけることです。
 ネットの世界で,悪ふざけをして「いいね」を求める風潮があります。それは受け止めているのか受け入れているのでしょうか? バカなことをして,よくやるね,という「いいね」であり,こっちはそんなことはしないけどね,と続きそうです。あなたはそうなんだと,単に受け止めているだけです。受け入れてもらっていると勘違いをしているとすれば,恥ずかしいことです。
 手紙のコンクールから,校長先生に宛てたもの。「僕の事,知ってますか?僕は全体の中の一人です。いつか見つけてみて下さい」。この子どもは,自分が他者からどう見えているかということを知っています。校長先生は,この子の思いを受け入れて,見つけてみようと思うはずです。
 連れ合いがちょっとした弾みで,身体の一部をぶつけてしまうことがあります。「痛い!」。「どうした?」「慌てるから」。そういう風に受け止めていると,関係が怪しくなります。「ぶつけたら痛いよね。大丈夫?」。痛いことを受け入れていると,分かり合えることになります。女性は共感を求めているのに,男性は原因や対策を語るので,会話がすれ違うことになります。言葉の優先順位が違っていることを,お互いに知っておいた方がよいようです。受け止めるか,受け入れるか,選択にはご用心。

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(2019年02月03号:No.984)