《喜びは 昨日明日無く 今日にのみ》

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 お年寄りが若い人に助言をします。自分の経験から学んだ学びを,若者に伝えて,生かして欲しいという願いです。
 経験から学ぶという場合,多くのことは反省を契機としています。反省の一つとして,後悔があります。「あのとき,○○しておけば良かった」と言います。後悔しなかった人は,少し違ったことを言います。「あのとき,○○しておいた良かった」。おけばとおいたの2文字違いですが,状況は正反対です。
 大事なことは,あのときです。振り返っている時点では,あのときとは過ぎてしまった過去の時間です。取り返せないあのときですから,後悔になります。時間を逆転して,あのときに立って見ると,いまのときです。今すれば,しておくことになります。今しなければ,しておけばということになります。先々にしておけばと後悔するのは,今しないことにした結果になります。
 将来に後悔しないためには,将来から見たあのとき,今このとき,していることをきっちりとしておくしかありません。今しなくてもいいだろう,今を無為にしていることが,あのときを失うことです。今でしょ!という言葉は,生きている自分が行動できる時間は,過去でも未来でもなく,今このときしかないという宣言です。自分の思い通りに生きるのは,今しかないのです。
 面倒なことは明日にしようと,今の時間から先送りしますが,明日には明日のすることがあります。明日を今日の代わりにすると,明日は消滅します。しなかった時間を先送りします。する時間を取り戻すことは原理的に不可能になります。元に戻れないという後悔だけを残ります。
 若い人の今がどれほど大事な時間であるか,それを知っているのがお年寄りです。だから,若いときの苦労は買ってでもしなさいという余計な話を聞かせます。今という常に過ぎ去っていく時間をつかまえるには,しんどいかもしれませんが,自分のペースを時間に添わせなければなりません。人に時間を支配することはできない,それを分かってほしいという老婆心は,伝わらないかもしれません。それでも,言ってしまうのが,人間の素直さでしょう。

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(2019年03月24号:No.991)