《喜びは 自分の立場 弁える》

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 ある法人組織の県レベルの委員会に突然に引き込まれて,最初の会議の席に座りながら,何が始まるのか楽しみにしていました。委員の交代があったようで,今回は新委員による最初の会合ということでした。何をする委員会かという事前の説明もないままに出かけていましたが,最初に説明がありました。なんとものんびりとした運営です。国の施策の展開に沿って市町段階の活動を円滑に進めていくために,担当者に対して指標となる情報を収集し整理し提供するという事業を行う委員会だということでした。これまでに3つの報告書ができあがっていると,委員会概要説明の資料に表紙だけが掲載されていました。実物を見せてもらえないのは,さみしいものです。
 今回の会議の目的は,今後の事業内容を決めることのようでしたが,事前準備などの案内などは何もなかったので,応えようもなく,事務局提案の追認という流れに導かれていきました。第一回の会合なので,最初の議題は委員長の選任でしたが,推薦された委員長は欠席で,副委員長が会議を仕切っていました。ところで,事務局作成の原稿に沿っての進行でしたが,流れの把握が不十分で,手順を飛ばしてしまい,事務局が慌てて引き戻していました。
 実務的な作業は,委員の中に紛れ込ませている専門家が作業部会と称して,引き取っていくことになっていました。委員はその成果を見守っていけばいいというスケジュールです。折角の委員会ですから,何かご意見などはありませんか,という発言の機会が設けられていました。
 やおら,ご意見が出て参ります。参考になればと聞き耳を立てていると,チャネルが違っているようでした。委員会の事業内容が行政の施策と絡んでいるという状況があるためでしょうか,行政の長の意向が決め手になるという趣旨の発言で,自分は役場の担当者にも指導をしているといったことなどを述べられていました。委員会の見ているところは現場の苦労であることを,把握していないようでした。それを言ってどうなるという思いでいたところ,二人目の方が口を開きました。今度はと期待して耳を傾けてみると,どこそこの町では素晴らしい活動をしていると見聞のご披露です。そうですかと,すれ違ってしまうだけでした。
 どうも,どちらの委員さんも元行政畑の方のようで,馴染んできた思考パタンの癖が抜けきらないようでした。行政の縦割り体制はトップダウンで機能しているため,いわゆる横の連携という発想ははじき出されているのでしょう。今の自分の立場には何が求められているのか,その自覚ができないのは傍迷惑ではないかと,我が振りを見定めています。

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(2019年03月31号:No.992)