《喜びは 愚かさに接し 締め直す》

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 年号が,平成から令和に変わりました。平成の時代は戦争がなかった時代と言われ,代わりに災害が起こった時代とも言われます。良かったことより悪かったことの方を思い出しやすいのが,私たちなのでしょうか。35歳といえば,昭和の末期に誕生しているので,戦争の実体験をせずに,外国における映像の戦争だけを見て育っているはずです。
 丸山穂高衆議院議員の戦争による領土奪還をけしかけるような発言が問題になっています。議員にあるまじき発言として議員辞職を求める動きがある一方で,ご当人は職務を全うする積もりのようです。このような潔さを持ち合わせていない者が想定している戦争とは,どのようなものでしょう?
 日本は戦争という行為を封印しています。戦争によっては解決するものがない,ということを知ったからです。その実感的知恵を持ち合わせている世代が,国を導いている時代は過ぎていきました。歴史的な人智は,生まれ変わっていく人間にはつながることはありません。人は無垢の状態で誕生しているのです。つまり親の知恵が子どもに遺伝的に丸ごと伝わることはないのです。親が教えて子どもが学んで,実感抜きの知恵として伝わるのが精一杯です。
 世代として3つを重ねると,この大事な知恵の伝言はかなり薄まり,変質しているはずです。戦争して勝った方の言い分が実現するという事実だけを聞きかじってしまう過ちも起こる可能性は押さえておくべきです。だからこそ,戦争という言葉を用いて,行使しないと憲法で意図的に宣言しているのです。その憲法を護る使命を帯びている者が,戦争をしないと事の解決ができないと口にできるのは,無知の極みです。
 新聞の社説で「ここまできた議員の劣化」と見出しが付けられる状況は,後世にさもありなんと伝わらないように祈るばかりです。この頃から日本はおかしくなり始めていたのだと語られることのないように,きっちりとした対応をしておくべきです。気の緩みを締め直すきっかけとして動けば,後世の評価を受けることができるでしょう。

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(2019年05月19号:No.999)