《楽しみは AIとの対話 少しずつ》

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 人は物事を理解するとき,理由を求めます。論理というつながりが真実性の基盤と思われているからです。理という漢字は,文字自身から璞(あらたま)を磨いて美しい模様を出すことを意味するそうで,そこから「ととのえる」「おさめる」,あるいは「分ける」「すじ目をつける」といった意味が派生してきました。「地理」「肌理(きり)」(はだのきめ)などのように,事物のすじ目も意味するようになってきて,それが抽象化され,秩序,理法,道理などの意に使われるようになったということです。
 先日,人の意見の形に対するコメントが目につきました。そこでは,次のような運びになっていました。「理系だから,人と話すのは苦手かも」という意見は,思考停止になっているという指摘でした。人の属性の言葉を理由とするのは,具体の現実が合致しないからというのです。理系であることと,話が苦手の間にはつながりがあるとは言えないそうです。
 人の系列には理系と文系があり,理系は数式,文系は言語を扱うのに堪能であるという類型を想定しています。この単純さが思考停止と見なされたのでしょう。ただし,言語は理系文系を問わず,普通に使われているものであって,人と話すことについても、違いをもたらす理由にはなりません。
 似たような形の意見は他にもあります。「男だから元気で,女だから優しい」といった性別属性による,能力分別をしてしまいます。「政治家だから裏金をもらっている」,「役人だからいい加減な仕事をしている」といった意見があります。ここで,どのような事例があげられるかAIに尋ねてみました。
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 問いかけ:「政治家だから裏金をもらっている」といった、少し無理な事例が欲しいのですが

 応答:なるほど、○○さんが求めているのは、「理由として成立していないのに、形式だけ"○○だから○○である"になっている例」ですね。いわば 因果関係のねつ造 や 属性の飛躍 を含むパターン。ここでは、あくまで「論理的に無理がある例」として、いくつかジャンル別に示します。
◆ 属性の飛躍(カテゴリーからの不当な一般化)
  政治家だから裏金をもらっている。東大生だから性格が悪い。医者だからお金持ちだ。関西人だからお笑いが得意だ。
◆ 因果関係のすり替え(理由になっていない理由)
  雨が降っているから宿題を忘れた。犬が吠えたから仕事を辞めた。眠いから遅刻の連絡をしなかった。寒いから部屋を片付けない。
◆ 外見・印象からの不当推論
  黒い服を着ているから性格が暗い。笑顔が多いから嘘をつかない。髭があるから怖い人だ。
◆ 社会的ステレオタイプの乱用
  若者だから努力しない。年配だから新しい技術が分からない。主婦だから暇だ。
◆ 論理的に破綻した"理由"
  お金がないから宝くじを買う。忙しいからSNSをずっと見てしまう。時間がないから計画を立てない。
◆ もっとひねった「無理筋」例
  猫が可愛いから数学が苦手だ。月が満ちているから会議が長引く。コーヒーを飲んだから雨が降る。机が散らかっているから世界が不安定だ。

 こういう"無理な因果"は、ステレオタイプ,思い込み,感情的な短絡,詭弁などの分析にも使えます。
 もしよければ、「どのタイプの"無理な因果"を深掘りしたいか」教えてください。心理学的に見るか、社会的バイアスとして見るか、あるいは言語表現として整理するかで、さらに面白く展開できます。

 問いかけ:思い込まされている無理な因果が気になっています

 応答:人は"理由らしきもの"を提示されると、たとえ論理的に成立していなくても、因果があるように錯覚してしまうことがあります。ここでは、その典型パターンをいくつか整理してみます。
 思い込まされる無理な因果の代表パターン
1. 属性のラベル化による因果の錯覚
 「○○という属性を持つ人は、△△であるはずだ」という思い込み。
 例:「A国の人だから几帳面だ」,例:「若者だからすぐ辞める」
 属性と行動の間に因果はないのに、"カテゴリー=原因"と錯覚させる。
2. 統計の誤用による因果の錯覚
 「相関がある」だけで「因果がある」と思わせるパターン。
 例:「アイスの売上が増えると溺死者が増える。だからアイスは危険だ」
 (実際は"夏"という第三の要因)
 "数字がある"というだけで、因果があるように見えてしまう。
3. 感情の誘導による因果の錯覚
 怒り・不安・恐怖を刺激して、因果を信じさせる。
 例:「不安なのは○○のせいだ」,例:「あなたがうまくいかないのは××のせいだ」
 感情が強いほど、論理のチェックが甘くなる。
4. 権威の利用(権威バイアス)
 「偉い人が言っているから正しい」という錯覚。
 例:「専門家が言っているから、これは絶対に効く」,例:「有名人が使っているから安全だ」
 "誰が言ったか"が"なぜそうなのか"を上書きしてしまう。
5. 因果の逆転
 本来は結果なのに、原因だと思い込ませる。
 例:「成功したから自信がある」→「自信があるから成功した」
 例:「人気だから良い商品だ」→「良い商品だから人気だ」
 どちらが原因か曖昧なものを、強引に一方向に決めつける。
6. 単純化しすぎた"物語"による因果の錯覚
 複雑な現象を、単純な因果にまとめてしまう。
 例:「社会が悪いから若者が変わった」,例:「親が甘いから子どもがダメになる」
 本当は多因子的なのに、ひとつの原因に収束させることで"分かった気"にさせる。

 ○○さんが気にしているのは、どのタイプに近いでしょう。推測すると、社会の中で共有されてしまう"雑な物語"、ステレオタイプが感情と結びついて強化される構造、「○○だから○○」が人間関係や自己認識に影響する場面、このあたりが特に響いているのではないかと感じています。
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 AIとの対話はここまでにして,事例の中には,よく見かけるものが有ります。論理というつながりが存在しているか,その評価をする考察が不可欠です。上の事例では,明らかにすれ違っていると分かるものもありますが,油断しないことです。
 意見を聞くときだけではなく,意見を述べる際にも,要注意です。

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(2026年02月22日:No.1352)