《楽しみは 見えない助け つながって》

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 今年も恒例の赤い羽根募金運動が始まっています。我が県でのキャッチフレーズは,小学4年生による「この羽根で しあわせつながる 助け合い」です。募金運動の本質をあっさりと言い当てていることに,驚いています。状況を見ておきましょう。

 こくみん共済が,2022年10月15日の「たすけあいの日」に向けて,2022年10月5日〜7日に実施した「たすけあい」に関する意識調査の主な結果を,以下のように発表しています。
 ・これからの社会にたすけあいが必要だと思う人・・・85.8%。
 ・「たすけあいがあふれる社会」に共感できる人・・・64.3%。
 ・社会がたすけあいにあふれていると思う人・・・・・40.1%。
 ・人が困っていたら「声をかける」・75.5% 「助ける」・81.9%。
 ・ 一方,自分が困っている時,人に助けを求める人・・35.6%。

 一方で,第一生命経済研究所の2023年1月のレポートに,「日本は世界で最も助け合わない国? 〜手助けが必要な人はいるのだが〜」があります。
 過去1か月間に「助けを必要としている見知らぬ人を助けた」かどうかに関する調査が,イギリスの団体によって世界各国で毎年実施されている。この調査については以前にも取り上げ,日本は2009〜2018年の平均でも,2020年単年でも,全世界の中で最下位だったという結果を紹介した。
 先ごろ公表された最新版の調査報告(2022年に調査、2023年に公表)によると,日本は142か国の中でまたもや最下位(21%)であり,全世界の平均(60%)を大幅に下回っている。日本は見知らぬ人を助ける人が少ない国であり続けていることがわかる。このような日本の人が見知らぬ人を助けることが難しい理由を分析して,そのひとつには,相手が手助けを必要としているかどうかがわからない,必要としていることに気づかない,という理由があることがわかった。

 先の報告では,人が困っていたら助けるという割合が81.9%と十分に多い一方で,困っているときに助けを求める割合は35.6%とかなり少なくなっていて,助けが不成立となる状況が危惧されます。後の報告では,助けを求めていることが分からない状況にあるという指摘です。どちらも助け合いのマッチングが取れていないということを示唆しています。
 席を譲ったり,重いものを代わりに運んだりといった日常生活でのちょっとした助けは別にして,この助けのズレを解消する一つの方策が,赤い羽根運動なのです。「助けてほしい」という声を代弁することが必要であり,赤い羽根=助けて欲しい人に寄り添って訴えを提示しているのです。募金という形で助けをしていただくと,その助けを具体的に必要な形に変えて助けを必要とする人に届ける体制が動くことができます。間接的ですが,募金で助けが届くのです。こうして助けのズレを解消できます。
 キャッチフレーズの通り,この羽根で助けてほしい思いを受け止め,募金という助けをしてもらえると,助け合いが実行されていくのです。

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(2025年11月02日:No.1336)