《楽しみは 関わり合いの 程の良さ》

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 第2陣の実習生との初顔合わせに際して,お辞儀の仕草の意味を宿題にしたことは前号で書いておきましたが,その挨拶の折りのエールとして新たなメッセージを加えておきましたので,書き留めておきましょう。

 今年の夏は例年にない暑さがやってきています。実習でいろんなことに頑張って挑戦されることでしょうが,頑張りすぎないようにしてください。皆さんは連れ合いのことを表すベターハーフという言葉を知っていますか?(頷く実習生はいませんでしたが)。普通ならベストハーフと言いたくなるかもしれません。しかし,ベストであろうとすると,すぐにくたびれてしまいます。ほどほどでいいのです。ただ,普通より良い,グッドでは連れ合いには相応しくないことでしょう。ベターであることが望まれますし,その程よさで長続きすることができます。よりよい関係が夫婦の間柄なのです。
 何らかの行動を応援する際に,「ベストを尽くせ」という声がかけられます。特にここ一番という勝負に臨む場合です。勝負という短期決戦では,ベストでなければならないでしょうし,短時間であるために実践可能です。ベストとは,ごく特別な時間に限定されるのです。
 福祉という場面では,ベターサポートが期待されます。知り合いなどの普通の関係にある人の間で困ったことがある人を支え合うのは良いグットサポートです。この分野は地域福祉という住民相互による助け合い活動になり,互助として推進されています。不都合な状況が素人の対応では間に合わないような場合での,福祉の専門職としての寄り添いは,一段上のベターサポートであることが求められます。もちろん,一刻を争うような緊急的状況では,救急的対応というベストサポートが発揮されなければなりません。

 人と人が関わり合う際に,どの程度に関わることが必要なのかは,その状況や事情に応じて選択されます。普通に,良く,より良く,最良に,という4つの程度が選択されて実践されます。程良い関わりであることが何よりです。長続きできて無理のない活動が可能になるからです。
 福祉をサービスと勘違いして,ベストを求めてくるハラスメントが現場で起こることがあります。その趨勢に押されて無理をしてしまうと,それは福祉活動ではなくなります。人の活動は基本的にアナログなのです。するときは常にベストというディジタル思考は現実にはそぐわないのです。そのことを常に意識しておくべきです。

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(2025年09月07日:No.1328)