*****《ある町の人権擁護委員のメモ》*****

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【子ども人権委員会の発足?】


 平成20年度から21年度にかけて,人権擁護委員の組織に変更がありました。子どもの人権に関する組織の改正です。
 平成6年に「児童権利条約」を締結したことを受けて,同年7月1日に人権擁護局長より,「子どもの人権専門委員設置運営要領」が通達されました。子どもの人権専門委員は,人権擁護局長により各協議会内の人権擁護委員の中から指名され,協議会区域内で,子どもの人権擁護の啓発や救済等の職務を行います。さらに,県連合会内に「子どもの人権専門委員会」が組織されましたが,他の委員会とは別枠のものとなっていました。そこで,他の人権擁護委員との関係では,子どもの人権問題について,助言,援助,連絡を行ったり,調査・処理に共同行動や協力を求めることができるとされ,一線を画しています。福岡県では,平成6年8月22日に委員会が設置されました。
 平成8年に山口県で始まったSOSミニレターの取組が平成18年から全国展開されました。この事業に関わる作業や返信への対応は膨大であり,専門委員だけでは対処できず,他の人権擁護委員を巻き込む必要が出てきました。この事業を全連・県連・協議会が実施する事業と位置づける根拠が問われることになりました。全連の総務委員会で調査審議の結果,子どもをめぐる人権問題は「委員組織体」で取り組むべきであるとの結論を得て,「子ども人権委員会」の設立が答申されました。全連では平成20年7月25日の総会で設立が決議され,県連では平成21年5月29日の総会で子ども人権委員会要綱が決定されました。
 これまで,協議会では「子どもの問題部会」が設けられていましたが,その部会に直結する県連・全連での上部組織はありませんでした。県連にあった子どもの人権専門委員会は,協議会の部会とは組織上のつながりはないからです。しかしながら,新設した子ども人権委員会は組織内部で積み上げ型であり,全連・県連・協議会という一連の組織として機能することができるようになりました。
 子どもに関する組織の新設に伴って,従来の「子どもの人権専門委員会」から「子ども人権委員会」へ移行が必要となります。子どもの人権専門委員の任期が平成21年5月31日まででしたが,1年間延期され,この間の合同会議を通して移行作業が進められます。
 県下12協議会から各1〜2名の委員が選出され,総員22名による子ども人権委員会の第1回の会議が,7月9日(木)に開催されました。議事に入る前に,委員紹介と委員長の選出が行われ,委員長には○○協議会の○○委員(子どもの人権専門委員会委員長)が選ばれました。議事では,先ず県下全域の子どもに関する事業の概要を確認するために,各協議会から部会等の活動報告がなされました。続いて,委員長より,全連子ども人権委員会について報告がありました。
 21年度の活動については,さしあたって8月20日に委員研修会を開くこと,そのほか,子どもの人権110番は子どもの人権専門委員会で担当すること,SOSミニレターについては各協議会で対応すること,子どもの人権意識を高揚するため人権教室・学習を開くこと,保護者への人権学習開催の要望に応えること,中学生のための人権教室開催の課題に取り組むことが了解されました。

(2009年08月05日)