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【縁起を担いで?】
郵便マークの〒が制定されたのは明治20年2月8日です。郵便事業を行っていた逓信省の頭文字Tを図案化する予定でしたが,Tは外国郵便取り扱いの中で郵便料金不足の印として万国共通に使用されていたことから,カタカナのテを図案化したものを採用しました。
プロ野球球団のヤクルトスワローズは以前は国鉄スワローズでした。国鉄は今のJRの前身です。国鉄が球団を持つにあたって,球団名を決めるとき,コンドルズが候補に挙がりました。強そうなイメージが良かったのですが,国鉄であることから,コンドル=混んどるというのはまずいという意見が出ました。そこで考えられたのがゆっくりスワローズ=座ろうずだったそうです。ゆっくり座るということは乗客が少ないということになってしまったという噂もあるとかないとか?
「かえす,もどす,またまた,かさねて,おくる,さる,いとま,なおなお,いよいよ」などの言葉は,披露宴では使ってはならないとされています。「鮎」は寿命が1年なので年魚と書かれ,結婚式の料理に使うのはタブーとされています。鮎を出すと結婚生活が1年しか続かないとされるのです。
結婚式は大安の日に,葬式は仏滅の日を避ける,といった縁起担ぎが残っています。六曜は,先勝,友引,先負,仏滅,大安,赤口の順です。旧暦の1月と7月の1日を先勝とし,2日が友引,3日が先負と続きます。2月と8月の1日を友引にし,2日は先負と続きます。同じように,3月と9月の1日を先負に,4月と10月の1日を仏滅に,5月と11月の1日を大安に,6月と12月の1日を赤口に当てます。大安が6日おきにやってきますが,時々ずれることがあります。旧暦の月替わりで順序が飛んでしまうせいですが,新暦では神秘的に見えてしまうのです。因みに,験を担ぐというときの験=ゲンは,縁起を逆にしてギエンと言い,なまってゲンになったのです。
根拠のない関連づけは,他愛のない遊びに止まっていればいいのですが,実生活にも少なからず影響を残しているようです。お互いに了解している場合には,良いようになればという願いによって根拠の無さにも目をつぶることができます。
世事はそれほど単純ではありません。いわれのない関連づけをして人を貶める言動も発生します。それが破廉恥であると自覚しているために,表立たないようになされ,結果として陰惨な影響を及ぼします。差別という愚行もその一つです。人は幸せになる権利を持っています。しかし,他を貶めて得られる幸せはあり得ません。人の道に外れているからです。幸せとはどのようなものであるのか,それを啓発するのが委員に期待されている役割です。
(2009年10月10日)
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