*****《ある町の人権擁護委員のメモ》*****

 

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【知らない方が?】


 お茶にしようといって休憩に入りますが,それほど日常の間食にお茶が定着しています。中国との交流から奈良時代にお茶を飲む風習が始まりました。この時代の喫茶法は茶の葉をついて固めた団茶をひいて粉にしてお湯を入れて煎じて飲むものでした。茶の葉に湯を注いで飲む宋代の点茶法が鎌倉時代の禅僧栄西によってもたらされました。さらに明恵によって植えられた栂尾茶をもとに,南北朝時代には畿内に多くの茶の産地が生まれ,中でも宇治茶は桃山時代に天下の茶となりました。
 庶民の間で喫茶が盛んになるにつれ各地でも茶の栽培が行われ、東海道では駿河茶,九州では八女茶が世に知られています。その駿河のお茶商人が、よいお茶はみな売れてしまうが,売れ残る二番茶を売りやすくするために「茶柱が立つと縁起がよい」と触れ回って,広まったということです。玉露や煎茶などはぬるい湯を差して時間を掛けるから茶柱は立たないのですがそもそも茶柱がありません。一方葉の多い茶柱のついた番茶は,熱いお湯でさっと出すから茶柱が立ちやすいのです。
 この茶柱も,いろいろなバリエーションがあるそうです。「茶柱が立ったことを他人に言うと,せっかくのよい事が他人に移ってしまう」とか,「立った茶柱は,他人に知られないうちに飲み込んでしまわなければならない」とか,「茶柱はそっと拾い上げて,着物の左袖に入れておくとよい」などです。
 茶柱縁起が昔のCMであったとご存じでしたか?
(2011年01月03日)