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【生きていく色?】
ロンドンのテムズ川に黒く塗られたブラックフライア・ブリッジという名物橋が架かっています。有名になっているわけは,身を投げる自殺が多いということでした。ほかの橋ではなくこの橋が選ばれているのは黒という色がよくないのではと考えられました。黒色は、一般的に闇や恐怖や悪事を連想させます。ある人には死をイメージして恐怖に駆られることもあります。そこで,橋の色を緑色に塗り替えたら,自殺者は三分の一ほどに減ったということです。緑色は自然界に溢れる植物の色であり、心に安らぎをもたらす色です。心の迷いを抱き,フラフラと橋の上までやってきたとき、橋が黒いとますます気持ちが沈んで死ぬ気の引き金を引いてしまいます。緑色だと落ち着いて考え直すきっかけを与えるのでしょう。
色の好みが心理と結びついているという報告があります。赤=情熱的,積極的,自己主張が強い。ピンク=愛情深い、世話好き,傷つきやすい。オレンジ=陽気だが嫉妬深い、社交的で人気者。黄色=元気で好奇心旺盛,野心家でもある。緑=理想・平和主義者,現実主義者でもある。青=知的でクール,感性豊かで自立している。紫=高貴,神秘的,エロチック性を秘めている。茶=協調性・責任感があり,心が安定している。黒=頑固でプライドが高い,孤独を好む。白=潔癖主義,真面目,理想主義者。
ところで,太陽の光の内で人間の目の視感度がカバーする色は赤燈黄緑藍紫の七色に分けられています。真ん中の緑色の太陽光が強く,人の目も緑色を中心に見えるような機能になっています。植物も一番強い緑色光を利用しています。緑色に適合しているので,落ち着きが得られます。一方,赤色は視感度の端になるので見るのに疲れ,緊張を伴うことになりますが,赤外線の温もりが気持ちを鼓舞します。紫色も視感度の端になりますが,そばにある紫外線は生き物には危険な光であり,近寄りたくないという本能が刺激されます。色というのは生き物が太陽に生かされているという現実につながっています。
人権感覚というものを7つの色合いで表すとしたら,どのようなものになるのでしょう? 紫色が権利主張とすれば,紫外線が侵害になるということでしょう。赤色が思いやりとすれば,赤外線はありがた迷惑になるということかもしれません。では,緑色は?
(2011年02月08日)
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