*****《ある町の人権擁護委員のメモ》*****

 

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【男女の仲?】


 縁を切ろうとしてもなかなか離れられない男女の仲を腐れ縁と言います。いつのまにか,男女の仲以外にも使われているようです。ところで,縁が腐れるとボロボロになって切れると思うのですが,切れないというのはどういうことでしょう。元々は鎖縁であり,切れない鎖でつながっている仲を言います。鎖が腐れになまってしまったのです。
 欠点があるところでバランスが取れている仲,似た者同士の男女の仲を割れ鍋にとじ蓋と言います。割れ鍋は割れて壊れた鍋のことですが,とじ蓋とはどんな蓋でしょう。閉じるための蓋と思っていたら,釣り合いが取れません。とじ蓋は綴じ蓋と書いて,つなぎ合わせた,修繕した蓋のことです。
 遠くて近きは男女の仲。遠いように見えていても,ちょっとしたきっかけで一気に深まるのが男女の仲です。よく知られている言葉ですが,これを言いだしたのは一体誰なのでしょう。よい恋人に恵まれなかった清少納言です。枕草子に「遠くて近きもの,極楽。船の道。男女の仲」とあります。
 おとこ,おんな,男,女,それぞれ別々の言葉です。英語で女性のことをWomanといいます。この語源は,Woe man です。woeとは災い,苦難,深い悲しみといった意味で,男性を苦しませるものということになります。Manは男性でもあるし人間の意味もあります。MaleとFemaleも,女性は変形という形になっています。イブがアダムの肋骨から作られたという考え方と関係があるのでしょう。
 1282年3月30日,一人のフランス兵が若くて美しいイタリア女性を乱暴,殺害するという事件が起きました。その知らせを聞いて,収まらなかったのがその女性の恋人です。やがて,彼の怒りは,フランスの圧迫に苦しんでいた人々の同情を買い,大規模な抗議運動にまで発展しました。そのときの合い言葉が,「Morte alla Francia Italia anela!」(フランス人に死を,これがイタリア人の叫びだ!)です。この言葉の頭文字を取ると,MAFIA(マフィア)となります。

(2011年05月01日)