*****《ある町の人権擁護委員のメモ》*****

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【逆も真?】


●四つ葉のクローバーは,実際に探してもなかなか見つからないことと,十字架を連想させる形ということで,西欧では幸運のシンボルでした。日当たりの良くない場所にあるクローバーは,光合成の効率が悪いので養分不足になるため,葉の数を増やして効率を上げようとするものが出てきます。日当たりの良いところでクローバを探すから、見つからないのです。四つ葉のクローバーは運の悪い印ですが,苦難を乗り越えようという生きる力に満ちていることに肖れば良いでしょう。
●植物を優しく撫でてやると、早く花を咲かせるそうです。接触形態形成という現象で,いつも触られていると,開花促進作用のあるエチレンガスを出して,成長しきらないうちに花を付けます。実は,植物は触られることが自分に害を及ぼすのではないかと感知して,早く花を付けて障害を回避しようとしているのです。触られて気持ちが良いのではなく,警戒して花を付けているのです。喜ばせるつもりが,相手には嫌がらせになることはよくあることです。
●タンポポの種は綿毛がついています。風に乗って空中を遠くまで漂っていきます。種を広く分布するための賢い機能です。乾燥したところに落ちると、風でまた舞い上がって,別の場所に移動します。湿り気のあるところに落ちると、綿毛がべったり張り付いて、動かなくなります。湿り気のあるところが生育に都合がよいからです。綿毛は湿気を見つける役割も果たしているのです。乾燥してフワフワしている綿毛と,濡れたらべったりとなる綿毛が裏表になっている自然の妙は見事です。
●いじめによる自殺がふつふつと起こり,列島をより暑くしています。弱い者いじめが卑怯な所業であるというけじめを持たず,まじめな子どもがみじめな目に会うという人権侵害は許されません。見ている側のあそびであるという判断が,見られている側の真実と一致していないことがあるという思慮深さが,人権擁護の関門です。
(2012年07月29日)