*****《ある町の人権擁護委員のメモ》*****

人権メモの目次に戻ります

【予習2?】


 ある組織体で開催される「指導者要請研修」に出席することになりました。どのような知見を詰め込まれるのか,受け止める能力と容量に不安がありますが,役目を果たす責任がありますので出掛けていきます。
 ところで,1コマのグループ協議が予定されているようです。協議事項は「委員組織体の体制を充実・強化する方策について」です。そのために,出席者に対して,以下のような3点について,書面によって意見を事前に提出するように要請がありました。企画する側でどのようなレールが想定されているのかうかがい知れませんが,とりあえず,思いつくままに書き出して提出しておきます。企画者が適当に拾い集める素材として使いやすいように,バラバラの形にしておきます。提出された意見は,協議資料として研修員全員に事前配布されるようです。当日の協議の進行が楽しみです。

1 委員組織体の現状及び問題点
   ・委員として年間数回の役務であるという浅い認識が,連携や協力という組織
    活動を回避する背景にある。
   ・組織が組織体として十分に機能していないために,各末端組織及び各個人の活動が
    孤立している。(横の広がり,縦のつながりが脆弱)
   ・問題に対する一貫した理論構築がない。
   ・他の関係機関における活動に対する関わりが希薄である。

2 委員組織体は,今後どうあるべきか
   ・組織はメンバーの能力を統合する機能を発揮しなければならない。そのために
    はメンバーのパワーを見極め,適切な分担配置を実現する必要がある。
   ・組織を動かす血流は情報の流れであり,動脈と静脈の機能が不可欠である。
   ・個人及び組織活動の記録情報の整理と蓄積を図ることで,組織活動が円滑に積
    み上がっていくはずである。
   ・各事業のまとめとチェック(PDCAの後半)をすることで,事業・活動の進
    展を図ることに努める。
   ・さまざまな調査や事案に関心を向けて,組織としてのあり方を常に確
    認することに努める。(社会の関心から遅れないこと)

3 委員組織体の体制を充実・強化するための具体的方策
  ・第一に実現することは,すべてのことに「誰がするか」を決めること。
   公的な委嘱の委員という重みを背景に,役務を引き受ける意思を養う。一方で,
   組織活動の要である事務局の人的配置を整備するに足る予算支援を獲得する。
  ・委員個人の経歴・資質が生かせるような組織分担を企画する。(横の協力)
   事業活動メンバーの報告・連絡・相談を確実に実施する。
  ・事業や活動の記録を整理して継承する態勢を立ち上げる。(縦の連携)
  ・諸活動の結果を分析し,課題を抽出し,共通理解を図ることで,
   各活動の意味を明確に理解することにより委員のモチベーションを高める。
  ・組織全体をリンクする情報ネットワークを構築する。
  ・喫緊の問題に対処する他機関組織に,積極的な参画をする。

 組織論として,大所高所からの高邁な御意見はお好きな出席者にお任せしています。理念を精緻にしても,組織は動きません。組織が自発的に動けるようにするためには,細部への目配りが必要です。そういうことをお伝えする意見もありかなと思います。
 当日の協議がどのようなものになるか,楽しみです。

(2014年08月15日)