*****《ある町の人権擁護委員のメモ》*****

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【身だしなみ?】


 平成29年が明けました。おめでとうございます。委員の皆様には,希望にあふれた年明けを迎えられたこととお慶び申し上げます。
 協議会の活動も順調に進捗していますが,ひとえに皆様のご尽力の賜物と心より敬意を表します。
 人権に関する法的な整備が立て続けに行われていますが,人間関係に対する意識構造の変化が起こっている結果と推察されます。夫婦,親子,家族,親戚,地域・隣人,勤務先の同僚などの従来からの多層的な関係がはがれてしまい,情報世界の海に個人が丸裸な状態で放り込まれて,もがいています。社会の豊かさが個人の豊かさに連結していないという感覚が共有されつつあり,人間関係は,信頼できる社会という視点が薄れ,個人の打算的なものに変容しようとしています。
 思いやりという温かな関係が何となく人権擁護を肩代わりしてきた構造は,消費期限切れになろうとしています。そのような趨勢が背景になって,人権擁護を法的な構造を整備することによって実現することが,今後ますます必須になって来ると思われます。
 人権擁護委員として,この新たな動きにどのように対応していくことが求められているのか,真摯に考えなければなりません。ただ,その結論が出るまで座しているわけにはいきません。現在直面する人権課題に向き合う活動を通して,新たな展望に向かうことが可能になります。そのために人権擁護委員としてやらなければならないことは,たとえ些細な活動に見えたとしても,きっちりと責任を持ってやり抜くことです。
 年に数回,相談などの活動をすればいいという委員を法務大臣がわざわざ大層に委嘱するはずもありません。一人の委員が取り組んでいる諸活動を年の初めに当たり,再確認しておきましょう。まずは,委員としての身だしなみです。

【相談活動】
 1.法務局常設相談を年間5回以上担当する。
   ・「みんなの人権110ばん」,「子どもの人権110番」,「女性の人権ホットライン」など
 2.所属部会が関わる強化週間として実施される電話相談の分担を引き受ける。
   ・全国一斉女性,子ども,高齢者障害者相談など
 3.自治体における特設相談や法務総合相談を分担する。
【救済活動】
 1.担当した相談の調査活動(法務局)に参画する。
 2.子ども人権SOSミニレターの返信活動を積極的に担当する。
【啓発活動】
 1.協議会による啓発活動に積極的に参加協力する。
 2.部会活動として行われている啓発活動に参画する。
 3.自治体における啓発活動に参加する。
 4.自治体事業である「人権の花活動」を支援する。
【機関活動】
 1.総会,研修会,部会などの機関活動には必ず出席し,人権感覚を活性化する。
 2.自治体における人権関連の会議に参画する。
 3.事務局との間での諸連絡を遅滞なく実行する。
   ・事業・会議等への出欠の期限内連絡
   ・配布書類等の委員引き出し(事務局設置)からの回収
   ・自治体での委員としての活動の常務委員への確実な報告
【その他】
 協議会運営のために設けられている役職である各委員長・部会長・常務委員・事務局の任を担っておられる委員の方々には,付け加えて会議や打ち合わせなどのご足労をお掛けしていることを感謝するとともに,委員各位のご協力をよろしくお願いします。

(2017年01月05日)