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【人権羅針盤の応用8:性格の悪さ】
人権宣言等から導き出した「人権羅針盤」は,下図のようにまとめられました。この図を使って,いくつかの人権に関わる事柄を診断してみようと思います。何か新しい分析の展開ができれば,人権擁護の助けになるはずです。
この図では,中央に位置する私の周り(黄色部分)が幸せの権利を表します。その外側,他者との間(緑色部分)が「人権」といわれるものが機能しているところであり,お互いに擁護されるべき領域となります。この人間らしい関係に備わっている人権を尊重することによって,私の幸せが完成するのです。この構成図によって,他者との関係にある人権と,それにつながる私自身の幸せの相関が明確になりました。
人権羅針盤の応用8は,性格が悪い人の特徴と言われているものについて,整理を試みてみます。
性格の悪い人には難儀をしている人が多いのでしょうか,ネットで検索すると5つから10,16まで,特徴が数え上げられています。あれこれ挙げていけばきりがないといった状況で,まとまりようもないので,取り上げられている特徴項目を人権羅針盤に寄せてみようと思います。
性格が悪い人は幸せになりたいと思っているのでしょうが,何が間違えているのか,分かってもらうためにも助けになるはずです。
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※性格の悪い人の特徴
あれこれ具体的に挙げられている性格の悪さの記述を,人権羅針盤の6つのブランチに分類をしてみました。人権羅針盤は幸せを求めるものなので,その作業によって,周りの人々が願っている幸せのどの部分に悪い結果をもたらしているのかが明らかになります。
結果は次の図のようになりました。吹き出しに○印で並べた項目が,性格の悪さとして指摘されている具体的な表現です。
各指標について見ていきます。第1の幸せ指標は他者を尊重することですが,逆に自己尊重のイメージで他者を束縛してしまいます。
第1指標:「自分都合のイメージで他者を束縛する」
○自己中心的で気分によって左右される
○人を外見だけで決めつける
○自分の話ばかり,自慢話をする
○下の人には威張り、上の人には腰が低い
○常に自分を被害者と思う
第2の幸せ指標は他者を信頼することですが,逆に他者を信頼に値しない存在と見下して差別をしてしまいます。
第2指標:「他者を見下して差別する」
○人を軽んじる発言が多い
○根も葉もない噂話を広める
○比較してマウントを取る
○人格を否定するような注意をする
第3の幸せ指標は表現の交流を通して他者を理解することですが,逆に他者の表現や話を否認し無視をしてしまいます。
第3指標:「他者の表現・話を否認や無視をする」
○相手の話を肯定せずに否定ばかりする
○頻繁に他人の悪口を言っている
○人の話に耳を貸さない,興味を示さない
○他人を平気でだます
第4の幸せ指標はお互いに寄与し合って共存することですが,逆に自己愛に溺れて他者を貶め排除をしてしまいます。
第4指標:「自己愛に溺れ他者を貶め排除する」
○人のあら探しを好む
○他人の不幸が大好き(顔を潰すことを平気で)
○嫉妬心が強い
○人にありがとうと言えない(当然と思う)
○困っている人がいても無視(損になる)
○人の幸せを妬み不幸を喜ぶ
第5の幸せ指標は明日への希望を期待することですが,逆に性急さにとらわれ希望という時間的余裕を否定してしまいます。
第5指標:「自分の明日への希望を否定する」
○思い通りにならないと不機嫌になる
○過去の出来事をいつまでも根に持つ
○希望が通らないと腹を立てる
○マイナス思考で,自分だけが大変と思う
第6の幸せ指標は能力の発達成長に励む喜びを感じることですが,逆に自ら機会を放棄して成長を妨害してしまいます。
第6指標:「自分の成長を自ら妨害する」
○自分の悪いところや失敗を認めない
○心から反省することができない
○自分の非を認めず人のせいにする
以上,人権羅針盤上に描き出した「私が幸せに生きていく上で必須の6権利」に「性格の悪さの表現」を関連付けてみました。幸せな人には性格の良さが現れるものであり,そうでない人は性格の悪さを見せてしまうと考えてみたからです。このような関連付けは他に例を見ないでしょうが,羅針盤の方向付けがどれほど汎用性を有しているかを確認することは,本質への接近度を見積もる目安になるはずです。取りあえずの試みはできたようです。
(2024年08月11日)
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