*** 子育て羅針盤 ***

〜 《Ver.4 from No.40》 〜

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「子育て羅針盤」:第44号
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[2001/07/30]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第44号)
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 庭の木にクマゼミが何匹もとまってワシワシと合唱しています。夕方水をまくと,突然の水流に驚いてコオロギの子どもたちが芝生から飛び出て右往左往しています。コオロギは子ども時代に夏の蝉の演奏を聴いて育っているようです。秋になれば自分たちの出番がやってくると知っているのでしょうか。
 木や壁に蝉の抜け殻がしがみついたままになっています。夜中に第二の誕生をしたのでしょう。暑い夏に昆虫たちは精一杯生きています。暑くて伸び上がっている人間たちの姿は,虫たちには共感できるのでしょうか?

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★子育てtips★
『安全社会』
(第30号)
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 学生の提出したレポートに腹を立てた。内容にではない。出し方がなっていないと思った。2枚,3枚になるのに,ただ,重ねてあるだけ。とじてないのである。風でも吹いたら飛んでいってしまうではないか。
 とめてあるもの,30名中3名(のりづけ,ホチキス,クリップ各1)である。ちょうど10パーセント。ほかに,おまじないみたいに用紙の耳のところを折りまげたものがいくつかあったが,そんなことでバラバラになるのを防ぐのはむずかしい。
 9割の学生は,出しさえすれば読んでくれるものとタカをくくっているのであろうか。ずいぶんいい気なものだ。こんなに楽天家が多くては物騒である。

 小さいときから,大事に大事に育てられてきた。ものごとをいい加減にしておいても,おとながなんとかしてくれる,という甘えがある。
 なくなったりするはずがない,と安心しきっているからこそ,こういうレポートの出し方をする。万一ということに対する警戒心がまるでなく,無防備である。危険に対する想像力が欠けている。

 いまは,家庭も,学校もそれほど「安全」なのであろう。しかし,これを当たり前だと思ってもらっては困る。こんなに不注意では,なにかちょっとしたことがあれば,たちまち混乱,事故,問題が起こる。

・・・「学校でできること出来ないこと」:外山滋比古著:PHP文庫

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★新・子育ち12章★
『ママの手が ボクの心を わしづかみ』
《第4-05章》
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 ■はじめに

 育っているのは誰でしょうか?
 「子ども」に決まっていると思われてはいませんか?
 本当にそうなら子育ての問題はかなり無くなるはずです。

 犯罪を犯した人の責任能力が問われていますね。
 人格が病に冒されて正常でない場合には責任は問われません。
 下手人と人格に分けて,人格をもって人とみなしているのです。

 自尊心とは自分を尊ぶことですが,誰が尊ぶのでしょうか?
 自分が自分を尊ぶことですね。
 自分を尊ぶ「もう一人の自分」がいなくてはなりません。

 育っているのは,子どもの中にいる「もう一人の子ども」なのです。
 ママから離れることによって,もう一人の子どもが誕生します。
 子どもは二度誕生するのです。
 第二の誕生によって人格という名のもう一人の子どもが・・・。

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 【質問4-05:お子さんは,ママに逆らい主張していますか?】

・・・・・・・「主張する」という内容について,説明が必要ですね!

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 ○遺伝子の主張?

 リチャード・ドーキンスは著書「利己的な遺伝子」の中で,遺伝子は自分のコピーが増えることを願って個体を操作すると述べています。動物が老いて死ぬというプログラムを埋め込まれている理由は,子ども世代の生殖を妨げると自分の遺伝子を残しにくいために,引退すべきであるということなのです。

 子に尽くしたあげく自分の身体を食べさせるヒメグモの母,早生まれのヒナにほぼ確実につつき殺されるイヌワシの二番目のヒナなど,自分の血統を残すのに都合のよい選択になります。個を遺伝子の存続に従属させる摂理は,個を大切にしようとしてきた人間には非情に思えます。

 わが子を虐待してしまう親性は反自然的です。なぜなら,自分の遺伝子を我が手で抹殺するのですから。そこでほとんどの人は虐待をする親を親ではないという印象を持ちます。親は遺伝子を残そうとしてこそ親になれるということを本能的に分かっています。

 子どもが自分の生存を主張するとき,例えばお腹が空いて泣くとき,それを満たしてやろうという気になれるなら親です。もし,泣き声がうるさくて聞く耳を持てなくなったら,親という遺伝子が休眠状態に陥っていることになります。

・・・生存への主張を聞き分けられる親になりたいですね。

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 ○多重視点?

 子どもの描く絵は抽象画のようです。バランスが悪くて落ち着かない気持ちになるかもしれません。ピカソのような巨匠の絵と子どもの絵の類似性はどこにあるのでしょうか? 古代エジプトの壁画なども人の前向きと横向きが混在しており,不思議な絵という印象を持たれることでしょう。

 写真のような絵,つまり写生画が絵であるという思いこみがあります。このような絵は描く人の目で見たものです。写真であればカメラのレンズを通して見える形です。ママは子どもの絵を見ていて,「ここは違うでしょ。もっとよく見て」と注意しますね。

 巨匠の絵はたくさんの目で見たものがごちゃ混ぜに描かれています。言い換えれば,対象をあちらこちらから見ているのです。自分の目ではなくて,もう一人の自分の目で見ています。自分は前にいますが,後ろから見たらどう見えるか,横から,上から,下からと視点を動かしています。もう一人の自分は縦横無尽に遊離し,多重な視点を持つことができます。このもう一人の自分が描く絵,これがあの不思議な絵になります。

 ママは鏡の前で横,後ろの視線を気にして身繕いをしているはずです。自分をあちらこちらから見る,それがもう一人の自分の視線です。子どもの描く絵が写真のようでなく視点を動かしている絵であれば,ママはお気に召さないかもしれませんが一緒に楽しんでくださいね。

・・・子どもの絵による主張には,もう一人の子どもの目が潜んでいます。

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 ○任せる?

 伊丹監督が日本の男について,「孤独に耐えられない,自分で決断できない,自分で責任を取れない」と語っていました。何とも頼りない状況です。結婚までは無理して大人っぽく振る舞っていても,一緒に暮らしてみると,女は「お母さん」,男は「幼児」の関係に逆戻りすると言う人がいます。

 自分という言葉は,自分を分けると見れば自分ともう一人の自分に分ける,自分を分かると見ればもう一人の自分が自分を分かるということになります。いずれにしても,もう一人の自分が主役です。自問という語ももう一人の自分が自分に問うことです。自律も自分を律するのはもう一人の自分です。

 男の子の中にもう一人の男が育っていないと,無責任な男になり,頼りない大人ができあがります。別に男にこだわることもなく,事情は男女ともに同じでしょう。ママに逆らって曲がりなりにも自分の主張を通す体験を重ねれば,幼児の殻から脱皮できてもう一人の子どもが育つはずです。いつまでもママが頭ごなしに決めていると,もう一人の子どもが決めること,責任を取ることができなくなります。

・・・もう一人の子どもに決めさせてみようという余裕を。

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 ○子どもの天下?

 運動競技において,イメージトレーニングという練習法があります。自分の運動スタイルを理想的なイメージに沿わせようとします。つまり,もう一人の自分がイメージする形に自分を追い込もうとする練習です。

 子どもの遊びを見ていると,「その気になって」夢中で遊んでいますね。ドラえもん,ピカチュウ,ミッキーマウス,ライダー,ウルトラマン,多くのヒーローになりきっています。これも立派なイメージトレーニングです。正義や友情のためにがんばるというトレーニングをしています。それなのに,ママが「いつまでそんなことをしているの」と現実に引き戻します。「せっかくいいところだったのに・・」と,子どもはおかんむりです。

 遊びは日常の自分を離れて,もう一人の自分が思うままに自分を操ります。ままごとでは女の子はママになりきっています。パパはもう一人のママをわが子に見つけて苦笑いをしていることでしょう。遊びが楽しいのは,ママの支配を脱してもう一人の自分の天下になるからです。遊びをしていない子どもの危うさは,もう一人の自分を思いっきり主張したことがないことに由来しています。

・・・遊びというママからの離脱を楽しませてください。

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 ○子どものアイデンティティ?

 長男と次男では同じ親の元で育っても性格が違っています。次男の方がしっかりしているケースが多いようです。どうして差が出るのでしょうか? 一人っ子が甘えん坊に育つという傾向も見られますが,それは長男と共通している特徴のようです。

 アイデンティティの基盤はもう一人の自分が選択できるということです。生きていくためには常に選択に迫られます。その決断ができる力を備えたとき,個性が発揮されます。選択に直面し決断ができないまま迷っている状態がモラトリアムです。大学までは順調に入学できたのに,そこから急にママの手が届かなくなるので,アイデンティティの弱さを露呈する若者が増えてきています。自分が将来に向けて何をしたいのか選択できません。

 長男はママの言いなりに育てられますが,次男は長男の姿が目の前にありますから学習します。こうしたらママに叱られるということを長男を見て知りますから,もう一人の次男は避けて通ることができます。こうして長男は手がかかるのに,次男はママの手から上手にすり抜けていくことができます。もちろんママの方も2回目の子育てですから要領を覚えて少しは余裕のある態度を示すということもあります。ママの網は粗い目である方がもう一人の子どもはのびのび育つようですよ。

・・・決断の危なっかしさには少し目をつぶりましょう。

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 ○わがままな主張?

 講演会で学んだお話しをお伝えしておきましょう。子どもは早寝をさせなさいというアドバイスです。起きて2〜3時間は頭が十分に働いていないそうです。ぎりぎりに起きて学校に行っても,午前中はぼやっとしているので折角の勉強が無駄になります。

 ママにアドバイスしたら「早く寝せようとしても子どもが寝たがりません」と反論されてしまうそうです。それは子どもの主張を受け入れていることになるのですが,果たして自主性に任せていると言えるのでしょうか? それは子どものわがままに過ぎません。早く寝た方がいいと分かっているのですから,親がきちんとしつけなければなりません。寝たがらないと放置したら,それは親の怠慢になります。親が決めてやらなければならないこともあります。

 寝なさいと一度や二度言って聞かないからとあきらめてはいけません。繰り返し根気よく寝るように指導します。ただ,手っ取り早く叩いても寝せるという荒技は有害です。寝ようともう一人の自分が決めるまでしつこく働きかけます。もちろん早く起こせば夜は早く寝るという裏技もあります。「早起きは三文の得」ということわざがありますが,このような生活上の知恵に逆らう主張はおおむねわがままと判断していいでしょう。

・・・ママが早起きをして,お迎えをしなければ!

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 《主張するとは,もう一人の子どもが育とうとしている合図なのです。》

※ママが手を引いて歩いていると,子どもがママの手を振り払おうとすることがあります。自分で行きたいところに行きたいのです。危ないところなら手を離せませんが,そうでもないときは子どものしたいようにさせましょう。転けたら転けないようにしよう,滑ったら滑らないようにしよう,ぶつかったらぶつからないようにしようと,もう一人の子どもに考えるチャンスが生まれます。

 【質問4-05:お子さんは,ママに逆らい主張していますか?】

   ●答は?・・・どちらかと言えば,「イエス」ですよね!?

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★編集後記★
 お届けした「子育て羅針盤」第44号は,いかがでしたか?

 先日,ある地区のPTA幹部研修会に招かれて「子育て羅針盤」のタイトルで講演をしてまいりました。最後にホームページのご案内を追加しておきましたが,後日電話でお問い合わせがありました。アドレスを口頭で伝えても聞き手にはアルファベットの羅列は記憶に残りにくいようです。確かにラジオでメールアドレスの告知を聞いても,「・・・ドットシーオードットジェイピー」という最後の共通部分ぐらいしか記憶できません。慣れるまでには時間がかかりそうです。

 次の『子どもの権利12条』の条文は各号の内容を表すサブタイトルです。全12条が揃ったら育成のスローガンとしてご利用ください。なお,公式活動にご利用の節は著作権の関係で,必ずご一報くださるようにお願いいたします。

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子育て羅針盤編:『子どもの権利12条』
第1条 安心して生きる権利
第2章 存在が歓迎される権利
第3章 正しい言葉を話す権利
第4章 共感が保証される権利
第5章 自分が決定する権利
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※ご案内※
 ●モリのクマさんのホームページ・・・「徒然窓」=
     http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear/
  には,マガジンの「バックナンバー」,〜「掲示板」や登録・解除欄,
     コラム「パパな毎日」,「子育ち12章(Ver.1,2,3)」,
    「子育て心温計」などの受賞論文,養育アンケート調査結果,
     組織活動の指導者用テキスト〜 
  を掲載しています。
  是非訪ねてみて下さい。

 ●PTAや家庭教育学級などでの講演のご依頼も承ります。
  メールで気軽にお問い合わせ下さい。
  プロフィールは上記のHPを参照してください。
  なお,クマさんの本拠は福岡市近郊です。

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☆予告☆
 次号では,

 【質問4-06:あなたは,お子さんを心から信じていますか?】

について考えます。お楽しみに!

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○タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
○発行期日:2000年09月25日より,毎週月曜日正午
〇発行責任:モリのクマさん(詳細はHP「徒然窓」〜プロフィールに)
○著者連絡: mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp 
〇転載許可:必ず事前に,モリのクマさんまでメールのご一報を下さい。

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