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[2012/12/10]
【子 育 て 羅 針 盤】
(第636号)
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★子育ち12笑顔★
【子育ち第11笑顔:大らかな笑顔】
《V49:HOW-01》
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《子育ちは 失敗越えて 歩む道》
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親が「しなさい」と命じると,子どもは「言われるから」と従います。たいへん素直ですが,ちょっと気掛かりです。親は何を間違えたのでしょうか? このすれ違いを考えてみます。
小学六年生の男児が,冬休みの宿題の書き初めをしていました。ところが,ちょっと手元が狂って床にひかれた絨毯に墨をこぼしてしまいました。急いでティッシュを取って拭きましたが,墨は吸い込まれていてぬぐえません。男児はやがて,「墨をこぼしてごめんなさい」と書き置きをして,住んでいた高層住宅のベランダから飛び降り自殺をしました。そのときに書いていた文字は「希望の光」でした。
子どもにとって失敗は命懸けになっています。失敗できないことになると,子どもは自衛上何もしなくなります。ただ親に指示されたら,します。それは,失敗したとしても,支持した者の責任であるとして,逃げられるからです。「お母さんがしろと言ったからしただけで,自分の落ち度ではない」というわけです。こうして,指示待ちの子どもたちが育ってきました。失敗を許さない指導・しつけが発端です。
子どもが見えないという声があります。子どもがどこまでできるのか,能力の限界が見えないのです。これも失敗させていないことが原因です。子どもが失敗をしたときは,その時点での子どもの最高の能力を出し切ったあげくの状態です。つまり,これ以上はできない所で失敗するわけですから,失敗の一歩手前までは子どもの今の実力であるはずです。失敗させてみることこそが,子どもを見届ける手掛かりなのです。
子ども自身も,失敗の体験によって,自分の実力に目覚めることができます。引っ込み思案な子どもは,失敗することが怖いということのほかに,自分がどこまでできるのか自分の実力を知らないということがブレーキになっています。失敗してもこの程度で済む,失敗した直前まではちゃんとやれたという自信,それが積極性を引き出します。
親の過保護が指摘されます。過保護と保護の遠いはどこにあるのでしょうか? 過保護とは,子どもに失敗をさせないように先回りをして囲い込んでしまうことです。子どものすることを先回りしてあれこれ注意したりお膳立てしてしまうことです。一方,保護とは,失敗することを許し,失敗の体験を重視することです。もちろん,失敗が身の危険に至らないように保護をします。こうして,親子共々に,子どもの育ちを見極めることができます。
0点の思想というものがあります。間違いを犯したら普通はマイナス点をつけられて,責任追及を受けることもあります。しかし,間違えても水に流してやろうというのが0点です。どんな失敗をしても,マイナス点,罰点は無いのです。これが,失敗の勧めです。さらに,間違いを正さない限りは0点のままに据え置かれます。間違いに直面し,反省する勧めです。
0点から始めるということは,プラスの点数に加点することだけが期待されています。失敗と反省の体験が豊かになれば,子どもは小さな失敗で立ち直れるようになり,失敗も怖くなくなります。親は子どもを0点で見るようにすれば,ほめることだけをできるようになるはずです。「できたね」と言うことしかできないからです。
失敗しないようにしすぎると,臆病になります。自分に自信を持てなくなります。失敗がとても怖いものになります。ちょっとしたことにも手を出せなくなります。そのような状態は,子どもの成長を抑制します。失敗しても大丈夫と大らかな受け皿を用意して,ドンマイ=Don't mind 気にするな! とまわりの人が励ましてやれば,子どもは懲りずに失敗し続けることができます。失敗してもやり直せる,失敗することがどの程度のダメージであるのか分かれば,失敗が怖くなります。失敗しても苦笑いという大らかさが現れてきます。
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☆次号予告☆
【子育ち12笑顔:健やかな笑顔】
どうぞお楽しみに!
健康であるということは,病気をしないことであると思われています。でも,物事はそう簡単ではありません。健康であるというのは,例えば,風邪気味であるとき,それを感知して,修復できる体力を持つということです。回復力を持つから,健康でいられると考えるべきです。そうしないと,病気にならないためには,無菌室にいなければ不可能になるといった非現実的なことになります。健全な育ちということも,失敗をしないのではなく,回復力を持つという育ちであるべきです。
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★落書き★
筆記具は,ボールペンやシャープペンのほかに,マジックペン類など,多様になってきました。ところで,筆記具といえば鉛筆でしたが,あの鉛筆に使われている木はどんな木なのでしょう。アメリカネバダ州の山に育つヒノキの一種で,高さ40m,直径1.5mにもなるインセント・シダーという木です。この木1本から,67万5千本の鉛筆を作ることができるそうです。この木は,「軽い,曲がらない,削りやすい,木目が真っ直ぐ,節がない」という鉛筆の木としての5つの条件に適っているそうです。
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●タイトル:『子育て羅針盤』 [Kosodaterasinban]
●発行期日:毎週月曜日正午(2000年09月25日より)
●発行責任:モリのクマさん(HP「徒然窓」〜プロフィール参照)
「徒然窓」= http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear
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