*** 子育て羅針盤 ***
 

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「子育て羅針盤」の創刊号
********************************************《2000/09/20》*****
【子 育 て 羅 針 盤】

★パパコラム★
『恐いもの いないという人 恐い人』
(第0号)
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 小1時間ほどの残業で帰宅が遅くなった連れ合いをバス停まで出迎えに行きます。買い物の荷物があるので,運ぶためです。バスの到着までの待ち時間に,ふと頭上を仰ぐと黒雲が立ちこめています。

 雲は水滴ですから無色のはずです。飛行機の窓から見る眼下の雲はまぶしく輝いていますが,高度が下がって雲の下に入ると黒い雲になります。日光が当たらないと暗くなるせいです。

 恋している目は異性をまぶしく見つめます。憎む目は相手を陰気ににらみます。目の光によって何の色にも染まっていない対象が明暗逆に見えることがあります。疲れていると相手のちょっとしたことが悪意に感じられます。弱っているとき優しくされると下心を探ります。

 どんなときでも「心にはいつも太陽を」持っていた方がいいでしょう。人が信じられなくなったときは,自分の目に光が失われたためで,相手のせいではないかもしれないと考えてみることです。

そうは言っても,最近の事態は恐ろしい段階に至っています。人の気持ちがさんざめく程度ならいいのですが,荒れ狂っているようです。ストーカーやドメスティックバイオレンスという悪行も取りざたされています。

 これまでの人生の中でそのような行動を思いつくことが皆無であったので,その心情は全く理解できません。人を人とも思っていません。八つ当たりされる茶わんと同じです。幼稚であると言ってしまえばそれまでですが,育てた親,育てつつある親にとってはそれでは済まされません。

 いったい何を忘れてきたのでしょうか。地震・雷・火事・オヤジと言われた恐いものがいなくなりました。オヤジ狩りに沈められ,最多の火事原因は付け火になり,都市化による町並みは人の頭上に被さり雷を遠ざけています。かろうじて地震だけが恐いものとして孤高を保っています。

 人は恐いものを失ったとき,暴君となる弱点を露呈するものです。

 科学の進展とは神の見えない手を人間世界から放逐することでした。限りなくあらゆる歯止めを解き放つことが善であるという暴走のすすめが,人の心までも犯すようになりました。

 時代の風の子である子どもたちは,恐いものがなくなったという追い風にあおられ不幸の色に染まっています。恐いものとは,社会の法による報復もありますが,自分の心の中に持つ悪行への恐れが根元的です。

 風よりも太陽を子どもに・・・。

********************************************《2000/09/20》*****
【子 育 て 羅 針 盤】
★子育ち12章★
『子の育ち 健やかなれと 祈る親』
《序章》
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 赤ちゃんが誕生したとき,親は健やかに育つことを願って,最高の名前を付けます。生まれたことだけを祝福します。日が経ちはじめて歩いたとき,一つのステップを越えた喜びに包まれます。片言を話し始めると,「パパ」と「ママ」のどちらの呼び名を先に覚えたか,楽しく競り合い,一喜一憂します。

 その時期を過ぎると,パパはどうしてなのか分かりませんが,子育てをママに任すようになっていきます。子どもはだんだんと自分育ちをするようになりますので,おとなしくはしていません。ママの都合などお構いなしで,ママを一日中引きずり回します。たいへんです。

 家庭とは言っても,小さな社会です。たとえ幼児でもわがままは控えめにしなければなりません。そこでしつけが必要になってきます。親は子育てという役割を果たさなければならなくなります。しかしながら,「子育て」という学科目を履修し合格した経験は誰も持っていません。子どもをどう扱ったらよいのかすら,はじめての経験です。

 そこでママはとりあえず,毎日の暮らしが滞りなく過ごせるように,子どもに生活上のあれこれを教え込ませようとします。ママが忙しいときはおとなしくしていること,夜はおとなしく眠ること,ミルクは時間通りにいっぱい飲むこと,部屋の中は走らないこと,何でも口には入れないこと・・,考えるだけで投げ出したくなります。それなのに,子どもはママの言うとおりにはしてくれません。「何遍言ったら分かるの?」と,何遍言うことでしょう。

 赤ちゃんから幼児までは,あっという間に育ちます。もうこんなことができる,こんなことを言うようになったと,その成長の早さに親は驚きます。しかしそのスピードはやがて落ちてくるように見えます。動物的な行動である簡単なことはすぐに覚えますが,人間として覚えるべきことは複雑になってくるからです。

 そこで「しつけ」から「子育て」に転換します。子どもが社会的人間としての育ちをはじめるときが来たのです。昔は地域による子育て,祖父母をはじめとして近所のおばさんたちが,豊かな子育て体験から陰で子育ちを支えてくれていました。若い親にはできない子育てをしてくれていました。しかし,近隣と絶縁状態になっている核家族の親は,近隣がしてくれていた子育て役割まで背負わなければなりません。今の親はたいへんです。

 これからの親は,「子どもが育つとはどういうことか?」という問題に対して,しっかりとした見通しを持たなければなりません。そこでいろんな情報を集めようとしても,情報が豊かな割には,個別的,断片的,専門的であって,全体像が見えてきません。まず子育ちのデッサン像を描く必要があるのに,細部にとらわれてしまっては,完成はおぼつかないでしょう。

 子育ての情報をどのように整理すれば,見通しが立つのか?
 それができれば,多くの親に安心感を持ってもらえるのではないでしょうか?

 そんな願いを込めて,子育ちの全体像をデッサンするつもりで,次回から12回の連載を計画しています。お楽しみに・・・。

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★編集後記★
 お届けする「子育ち12章」は,過去10年ほどの間に各所で講演しご好評を頂いた原稿を元に書き下ろしたものです。聞く話と読む話では送り手側にも別の気配りが必要になると思います。それがうまくできるかどうか,挑戦してみます。
 また,各号には「パパコラム」を添えておきます。パパの目から見た家庭や暮らしのあれこれについて,考えてみます。よろしく。
 なお,この創刊号はメール配信を致しませんので,ご了解下さい。
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○タイトル:『子育て羅針盤』(KOSODATERASINBAN)
〇発行責任:モリのクマさん
○連絡mail:mori-bear@mvd.biglobe.ne.jp
〇URL=http://www5a.biglobe.ne.jp/~mbear/MailMag/MMannai.html
〇転載許可:クマさんまでメールのご一報下さい。
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