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連れ合いに「幸せかい」とたずねたのは,記憶の奥の彼方です。今更照れくさくて,言えば笑い出すことでしょう。ある調査によりますと,妻の幸せには周期があり,その落込み時は結婚後6〜8年で,子が2〜5歳,育児の最中なのに父親は任せっきり,次に18〜20年で,子が受験・反抗期,頼みの父親は働き盛り,さらに24〜26年で,子が就職・結婚,残るのは,夫だけになるときです。
肝心なときにいつも「父親」不在であることが,「夫」の不在でもあるようです。父親として反省しきりですが,蜂の一刺し。ある日お菓子を家族で食べようと,夫婦が2個づつ,子ども二人が3個づつの積もりで10個買ってきました。食べるときに「はい,お父さん」と出された皿には1個,見ると母親と子どもたちの皿には3個づつ。家庭から父親がはみ出し,家庭は母親と子どものものと化していました。父親の孤独は覚悟しても,夫婦の縁が消えるのは辛いものです。
家庭は夫婦のもの,決して母親と子どものものではないと一念発起,「父親の出番は魅力ある夫」と思い定めました。母親が父親と夫婦としてしっかりつながり,留守のときでも,父の座,父の物を守ってくれ,また子どもから母親を妻として取上げることで,子どもに父親の存在感が実感されます。父親の保証書は妻が出すものです。母の子離れは,母親が努力することではなく,夫としての魅力で妻を引寄せるものと腕を伸ばしたところで,連れ合いの声に初夢から覚めました。正夢ならいいのですが。
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