《母親の 姿を映す 子どもの目》

 連れ合いとコタツで向き合っていてふっと目が合ったときに,私は連れ合いにどのように思われているのだろうかと考える一瞬があります。
 いまどきの中学生は母親について,どのようなイメージを持っているのでしょうか。福岡県の調査によると,昭和57年には母親とは「理解してくれる人,尊敬できる人,口うるさい人」という順番でしたが,平成5年には「理解,尊敬,指導してくれる人」の順序に変わり,口うるさい人が下がって指導してくれる人が上がってきました。平成10年になると「指導,尊敬,理解」の順になり逆転が起こりました。自分のことを理解してくれるママではなく,指導してくれるママに変わっています。子どもにとっては母親に見守られているという温もりが薄れているのではないかと心配です。母親は自分が指導者と思われていることに気づいていないかも知れません。
 親の役割は育てることです。指導者は片付けをしなさいと命じますが,行為の外にいる第三者です。片付けてくれたら助かるよと,行為を受け止める役を果たすのが親による子育てです。行為の受け手として当事者になり,さらに親がありがとうと感謝の気持ちを伝えれば,子どもは喜んで片付けをするでしょう。
 また親からあれこれ指導されることに慣れてしまうと,子どもは自分で考える機会を奪われ自主性が育たなくなります。さらに親が指導しているつもりでも,子どもには干渉と受け取られることがあります。指導と干渉の違いは,子どもに決定権を持たせているかどうかという点にあります。自分で決めることが育ちの出発です。親の指導が子どもに有無を言わせない干渉であれば問題です。

(No.67:リビング北九州:99年2月27日:1294号掲載)