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私が会長をしていた頃,「良い子,悪い子,普通の子」という言葉がテレビから流れていました。良いことと悪いことの間には普通という状態があります。寒いと暑いの間に暑くも寒くもない状態のあることが思い浮かびます。
手伝いは良いことです。そして手伝いをしないことは悪いことではなく,普通のことです。一方,邪魔をすることは悪いことですが,邪魔をしないことは良いことではなく普通のことです。
ところで,親は子どもに手伝いを言いつけることがあります。言われるから子どもは手伝いをし,親はして当たり前とほめません。もししないと親は指示に従わなかった理由で叱りますが,子どもは手伝いをしないことが悪いことと思うようになります。良いことである手伝いを指示してやらせようとすることで,手伝いをすることが普通,しないことが悪いと格下げしていることになります。
良いことをさせようとしてもしないと叱っていては,子どもは良いことと悪いことの区別がつかなくなるばかりか,良いことも悪いこともしない普通の状態を取り上げられてストレスが溜まって育てなくなります。子どもがする行為をじっと見守って,手伝いのような良いことをしたら即座にほめてやり,迷惑をかけたりうそをついたりといった悪いことをしたときに限って叱るようにすることがしつけのポイントです。ほめられたら良いこと,叱られたら悪いこと,そして特別なことをしない普通の状態があることに気づけば,親子ともに楽になるでしょう。
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